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時評コラム

猪瀬直樹の「眼からウロコ」

人生を楽しめる「すまい」のモデルを視察

民家や小学校跡など既存ストック活用事例にヒントを得る

2009年6月23日

 前回のこのコラムで書いたように、僕が座長を務める東京都庁の「少子高齢時代にふさわしい新たな『すまい』実現PT(プロジェクトチーム)」が6月18日に視察を行った。地域の高齢者のすまいのモデルケースになる取り組みは少なくない。

一軒家を改装して介護施設と融合した「すまい」

 今回視察したのは、都内3カ所の施設だ。まず最初に、東京・世田谷区の「NPO法人多摩川にこにこ倶楽部」を訪れた。普通の民家でも住宅と介護施設が融合した「すまい」が実現できるというケースだ。築25年の一軒家を改装して、賃貸住宅兼介護施設になっている。

 70坪ほどの敷地に、3階建ての家が建つ。1階がデイサービス施設、2階と3階が賃貸住宅(高齢者専用賃貸住宅)である。

 賃貸住宅の広さは1部屋あたり18.2平方メートルで、全部で6部屋ある。賃料は7万5000円で、水道光熱費や管理費を合わせて毎月11万5000円が利用者の負担だ。

 もともとは、NPO法人の代表理事である温井克子さんの両親が住んでいた。両親の介護のために、500万円弱のお金をかけて改装しエレベーターも取りつけている。ご両親の死後、一軒家をリフォームした。

 10人に食事や入浴などデイサービスを提供する1階部分は、地域住人も利用していい。視察した際には、カレンダーの色塗りのような作業をしたり、散歩をしたりしていた。

 窓の外をふと見上げると、建設中の50階建て高層マンションが目に入った。そのワンフロアにも介護施設があれば、どれだけ住人と地域社会にとって便利な拠点になるだろうかと考えた。

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