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河岸宏和
魚介類と腸炎ビブリオ
不景気な昨今でも、休日には多くのお客さんでにぎわっている回転ずしの店があります。いけすに泳がせている魚を網で取り揚げ、お客さんの目の前で魚のうろこを取り、3枚に下ろして刺身を作り、すしを握ってくれます。とても新鮮なように感じますが、うろこが付いている魚を取り扱うときには食中毒に対する注意が必要になります。
魚のうろこなど海産の魚介類には腸炎ビブリオ(細菌)が付着しています。日本における腸炎ビブリオによる食中毒は、サルモネラによる食中毒と並び発生件数の最も多い食中毒の一つですが、衛生管理の実践が普及したことで、魚を原因とする発症は昭和50年の患者数をピークに減ってきています。知識が少なかった当時は、同じまな板で魚のうろこを取り刺身を作っていたため、多くの食中毒が発生していました。
腸炎ビブリオは非常に増殖が早く、最適の条件下では10分に1回の早さで分裂します。このため、生の魚を扱うときは素早く処理を行って冷蔵保管をする必要があります。厨房の冷蔵設備が整ってきたことも、腸炎ビブリオによる食中毒が減少した要因の一つでしょう。
食品を取り扱う方に知識が無ければ、食中毒は容易に起こる可能性があります。しかし、食中毒を治す医者になるためには、6年間大学に通ってそのあとにも研修を積む必要があるのです。食中毒を起こしてから治すよりも、起こさないための管理を行うほうが賢明だと思います。
生魚のうろこに注意
衛生管理がしっかりしているすし屋さんでは、お客さんの目の前で魚のうろこを取ることはありません。自分自身でやってみるとよく分かりますが、魚のうろこ引きをすると、外れたうろこは思ったより方々へ飛び散ります。
スーパーなどの厨房では、電気ドリルのようなうろこ取り器があり、よく見ると厨房の天井までうろこが飛んでいました。うろこを取る場所と、柵取りの魚を刺身に切る場所は別に区分けする必要があります。私は新しい家を建てるとき、屋外に魚のうろこ取り用のステンレスの流しを設えました。