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“ユーモアない日本人”のイメージ破る

ニッポンを伝える人たちライフ

落語で世界を笑わせよう
“ユーモアない日本人”のイメージ破る(3/5ページ)

文京学院大学准教授・英語落語家 大島希巳江さん(1)

2009.05.26

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エンターテインメントとしてのRakugo

 始めたころは「日本を知る」という学術的な観点で呼ばれることも多かったが、現在ではショービジネスの一つとして、オファーが来るケースが半分近い。日本文化を知ってほしいと始めた英語落語の海外公演。今は、さらに次のステップへと進み、エンターテインメントとしても認められてきたという。

さまざまな国で行われた英語落語公演のポスターが
[画像のクリックで拡大表示]

 海外公演は行く先々で国情が異なるため、その国によってできない演目や表現がある。そのほかにも、例えばイスラム圏ではヒジやヒザを出してはいけないといった注意も必要。事前のリサーチや打ち合わせには慎重を要する。

 聴衆の反応はさまざまだ。ユーモアは知的なもので早く笑った方が賢いと捉えるアメリカなど欧米では話の途中から先を争うように笑い、マレーシアなどアジアでは人の話を遮ってはいけないと思うのか、話の区切りがついてから笑うという。お国柄も面白い。

 噺のテーマとして、どの国でも分かりやすくてウケるのが、単純な、お金をごまかすなどのケチ話やマヌケ話。

 「“単純”ということは、日本文化の部分は少ないということなんですよ。万国共通の部分が全面に押し出されて、枝葉の日本文化の部分が少ない方が分かりやすい。日本文化が満載の話は逆に分かりにくい」

 ウケる噺と日本人気質が多く盛り込まれた噺は相反する場合が多い。

 「例えば、義理人情の話のようなものの方が、日本人気質が伝わるような気がします。もちろん、そういう話をやることもありますけど、笑いが少ないから、取り上げるのは難しいですね」

 笑える話は無条件に受け入れられるが、日本人のメンタリティに根ざす義理人情などの話は、演者の技量ももちろんながら、聞き手側にも素養や熟練を要する。いつかRakugoが浸透したら、外国人も義理人情の話に涙する日が来るかもしれない。すでに翻訳済みの人情話もあり、出番を待っているという。

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