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河岸宏和
すし屋さんがお手本
ある日銀座の高級なすし屋さんへ行くと、カウンターには具材を入れる冷蔵ケースがありませんでした。照明の光が刺身に当たると色が変わり、味も落ちてしまうことをよく知っているからでしょう。
魚などは、氷の入った桶の上に並べて保管してあります。冷蔵庫ではなく氷で保管することで、魚が乾燥するのも防げます。
当然すし屋さんは、お客さんの注文を受けてから柵取りの魚を切って刺身にします。事前に切っておくと刺身の切断面からドリップが出てしまい、どんどん味が落ちるのを知っているからです。
ダイコンやきゅうりなどのツマも実に新鮮でおいしく、刺身のうまさがさらに引き立ちます。
目の前で作業を確認できる厨房
第1回でも触れたように、多くのスーパーでは、開店の朝10時に行くと、刺身売り場にはすでにたくさんの刺身パックが並んでいます。そしてそれらの刺身は、そのまま夕方まで販売されます。
消費期限は夕方以降も食べることができるように表示してありますので、安全上は問題ないことになります。しかし、おいしさという面では、朝から照明に当たっていたり、切ってから何時間もたっていることで、味は格段に落ちているでしょう。
多くのスーパーでは、刺身を作る厨房がガラス越しに見えるようになっています。おいしい刺身を食べるためには、目の前で作業を確認できる厨房で、出来たばかりの刺身を買われることをお勧めします。
目の前で確認できない場合は、せめて柵の状態で購入して、家で刺身に切って食べるのがいいでしょう。柵のパックを選ぶとき、消費期限だけでなく製造時間も表示されているかどうかに注目しましょう。第4回のようなごまかしもありますが、疑い過ぎるときりがありません。