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「追い出し屋」~数日の家賃滞納で住みかを失う恐怖(1/3ページ)

2009.05.22

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(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

イラスト:小林商事
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 一昨年以降「追い出し屋」の問題が顕在化している。賃貸住宅ビジネスにおいて、家賃滞納者を強引かつ暴力的な手法で追い出す業者が増えているのだ。この問題の背景には、低所得者層の増加、住まいに関するセーフティーネットの機能不全、賃貸住宅ビジネスの零細性、紛争解決手段の未整備などの構造問題が横たわっている。

 ふつう賃貸住宅を借りたい人は不動産業者を通じて、住宅のオーナーと賃貸借契約を結ぶ。その際、入居者は連帯保証人を確保した上で、敷金や礼金などを用意することになる。これらはオーナーが抱える様々なリスク(部屋の修繕、家賃の延滞など)を軽減するために用意するものだ。

 ところが最近では、連帯保証人の仕組みが機能しない場面も増えた。家族関係の希薄化を背景に、連帯保証人を確保できない人が増えているからだ。これはオーナーにとって、空き部屋を埋めることが難しくなったことを意味する。

 そこで登場したのが「家賃保証会社」だ。入居者から保証委託料を受け取る代わりに、連帯保証人の役割を引き受ける。例えば入居者の家賃支払いが滞った場合、家賃保証会社がこれを立て替え、後で入居者に請求する。委託料の設定はサービスにより異なるが、月額賃料の定率を契約時・更新時に支払うパターンが多い。これで入居者は連帯保証人を立てることなく部屋を借りることが可能になる。またオーナーは、より安全に家賃を回収できるようになるほか、敷金を減額するなどして物件の市場競争力を高めることも可能になる。

 家賃保証会社が急増したのは1990年代半ばからのことだ。2007年時点で、賃貸契約全体に占める家賃保証会社の利用率(連帯保証人との併用なし)は24.8%に及ぶ(日本賃貸住宅管理協会のアンケート調査を参考)。賃貸借契約を結ぶ際、入居希望者に対して「家賃保証会社との契約」を求めるオーナーや不動産会社も珍しくない。

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