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見せたい映画ではなく、見たい映画の提供を(1/4ページ)

中高年世代に有望な娯楽「映画」

2009.05.13

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 このコラムの90回目で「リタイア世代とテレビの力」を書いた。大人の、とりわけリタイア世代の娯楽として、テレビに並ぶものは映画ではないだろうか。「おくりびと」など邦画のがんばりもあって、映画鑑賞人口は少し復活していると聞いた。今後、余暇時間の多いリタイア世代の要望に沿ったコンテンツや鑑賞方法を打ち出せば、さらに娯楽としての地位を固めるだろう。そんな映画界の中高年世代への取り組みと問題点を探ってみた。

中高年観客の獲得作戦始まる

 ありがたい事に、多くの映画館には60歳からのシニア割引がある。60歳になるのも悪くはない。普通なら1800円のところが、たったの1000円で2~3時間、椅子に座ったままで、自分にはない経験をさせてもらい、共感したり、驚いたり、主人公になったつもりで興奮したり、感動したり。いい映画を見た後はしばしの余韻も残る。

 考えてみれば、なんと安上がりで満足感の高い娯楽だろうか。仕事で忙しくて映画を見る時間がなかったという人も、リタイア後は映画館に足を運ぶ機会も増えるだろう。

 大手シネマコンプレックスが中高年層に向けた旧作映画を上映するというニュースがあった。東映系のティ・ジョイでは全国の系列劇場で、時代劇の年間上映を始めるという。これまで短期間の企画上映はあったが、年間を通しての一斉上映は初めてだ。入場料は1000円。

 松竹も中高年向けに、歌舞伎の舞台を劇場用に撮影して編集した「シネマ歌舞伎」を上映する。また、東宝系のTOHOシネマズも宝塚歌劇団の舞台を上映する予定という。料金は、松竹は2000円、TOHOシネマズは4000円と高めで、いかにも金持ち中高年を狙った感がありあり。

 シネマコンプレックスが中高年をターゲットにし始めた理由は、他の映画施設と同じ作品になることの多いシネコンでは、最新作の上映だけでは差別化できないため。さらに、シネコンの中心客層はファミリーか若者が多く、50代以上の観客を促したいという思惑がある。日経新聞4月18日の記事によると、現在、50代以上の観客は2割程度しかいないそうだ。

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