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松浦晋也の「宇宙開発を読む」テクノロジー

公表された宇宙基本計画案(1)(1/7ページ)

太陽系探査の芽は、つみ取られてしまうのか

2009.04.28

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 2009年4月27日、宇宙開発戦略本部は、今後5年間における日本の宇宙開発方針を規定した「宇宙基本計画」案を提出した。今後パブリックコメントにかけられて、5月末に正式の政府の計画となる予定だ。

 内容は多岐にわたる。今後このコラムで分析を行っていくが、ざっと読んだだけでも評価できる部分と、逆に批判しなければならない部分とが混在している。はっきりしていることは、12月の混沌とした状況の中から、よくここまでまとまった計画を打ち出せたものだ、ということだ。日本の官僚の優秀性を改めて確認した思いがする。

 が、ここでは最初に、宇宙基本計画の中に針のように仕組まれた問題点を指摘したい。今回の計画案がそのまま実施された場合、小惑星探査機「はやぶさ」と月探査機「かぐや」で、やっと端緒に付いた日本の太陽系探査が全滅する可能性が非常に高い。

 特に「はやぶさ」とその後継機計画「はやぶさ2」「はやぶさMark2」は今や非常に奇妙な立ち位置にある。国民の支持は非常に高い。与党野党を問わず、政治家の間でも「はやぶさ」は高く評価されている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の立川敬二理事長も、「はやぶさ」及び後継計画を擁護する発言をしている。

 にもかかわらず、「はやぶさ」後継計画は、予算が回らずに計画立ち消えになる瀬戸際にある。

 その理由は、有人月探査を巡る、JAXA内の勢力分布にある。それを反映した宇宙基本計画案の文言によって、「はやぶさ」後継計画はおろか、日本の太陽系探査は命脈を絶たれる寸前まで追い詰められている。

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