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こだわりのビール事業で活路を見出した
サントリーの「やってみなはれ」経営

2009年04月20日  RSS  コメント(0件)

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(松崎 隆司=経済ジャーナリスト)

 「昨年のビールを中心とした好成績を一過性に終らせないために、今年はまさに正念場を迎えていると思います」

 4月1日にサントリーが純粋持株会社制度を導入し、誕生したサントリー酒類の相場康則社長は4月7日の新商品発表会見でこう語った。

 サントリーは2008年12月期、売上高、経常利益は4年連続、当期純利益は2年連続。経常利益、当期純利益は過去最高となっている。

 その原動力となっているのがビール事業の黒字化とSCM(サプライチェーン・マネジメント)の効果だ。

 サントリーはビール事業の開始以来、黒字化することはできなかった。 「46年やってきてやっと2008年12月期に初めて黒字になりました。昨年は30億円ほどの営業黒字です」(サントリー東京広報部)

 ビール業界では販売数量が“1000万ケース”が明暗を分ける大きなハードルとなっている。単一銘柄が定番として市場に定着し、大きな収益源として貢献する数字がこの1000万ケースだからだ。

 サントリーは07年12月期まで1000万ケースを超えるブランドは「ジョッキ生」だけだった。しかし2008年には「ジョッキ生」に加えて「ザ・プレミアム・モルツ」「金麦」と三本柱が誕生した。これがサントリーのビール事業を勢い付けた。サントリーはどのようにしてビール事業を伸ばしていったのか。

「やってみなはれ」の精神でスタートした難航不落のビール事業

 サントリーにとってビール事業は特別な意味を持っている。ビール事業に進出し軌道に乗せることが中興の祖といわれる佐治敬三の宿願だからだ。

 サントリーがビール事業に進出したのは1963年。ビール業界は当時、キリン、アサヒ、サッポロの大手3社がほぼ100%シェアを握り、他社の参入は不可能だと言われていた。販売ルートも大手3社が専売契約を結んでいるために、ほとんど参入する余地がなかったからだ。

 事実、大手酒造メーカー、宝酒造がビール事業に挑戦したが撤退を余儀なくされた。

 それでも洋酒事業をトップ企業にまで育てあげた佐治はビール事業進出に情熱を燃やした。

 「ウイスキー事業ではオールド、トリスを基軸に、第一次洋酒ブームとも呼ぶべき順風に恵まれていた。しかし、このままでは会社の将来が不安だ。社員にカツを入れて、社内の空気をピンと緊張させるためにも、ひそかに暖めてきた最難関のビール事業に敢えて挑戦しようと決意した」(「へんこつなんこつ(私の履歴書)」より)

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