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変革期の入り口に立つマスメディア(1/5ページ)

2009.04.07

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(桐原 涼=経営評論家)

広告市場の急失速

 マスメディアの経営に危機が迫りつつある。電通の調査によると、2008年のマスコミ4媒体(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)の広告費は、前年実績に対して約8%も減少した。景気の急激な悪化により、企業が広告費を絞り込んでおり、その影響が直撃した。前年比8%もの落ち込みは過去に経験のない事態であり、広告費を主たる収入源とするマスコミ各社の経営にも深刻な打撃を与えている。

 広告市場は景気の波の影響を受けるので、広告市場自体は景気底入れとともに、いずれ最悪期を脱するはずだ。しかしながらマスメディアの将来に関して、楽観は禁物だ。マスメディア向けの広告費は景気が落ち込む以前から趨勢的に減少していた。現在マスメディアが直面している問題は、メディアパワーの衰えという構造的問題である。

 広告市場におけるマスメディアのシェアは、急速に減少しつつある。2003年における総広告費に占めるマス4媒体(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)の比率は63%あった。ところが2008年の広告費実績では、マス4媒体の構成比は49%と過半のシェアを割ってしまった。

深刻な消費者のマスメディア離れ

 マスメディアがパワーを失いつつある背景には、消費者の「マスメディア離れ」がある。2005年におけるNHK放送文化研究所の調査結果によると、各メディアに対する消費者の接触率(平日一日に当該メディアを見た・聞いた・読んだ人の割合)は、テレビが90%、新聞が44%、ラジオは15%であった。このデータに基づけば、テレビは国民誰もが日常的に接触するメディアとしてのポジションを維持している。しかしながら半数以上の人が日常的に新聞を読んでおらず、ラジオに至ってはほとんどの人が聞かないという状況になっている。

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