(伝農 浩子=フリーライター)
舞台は陶芸の里・栃木県の益子。400ほどあるという窯元のうち、外国人の陶芸家が20人ほどいるという。オーストラリア人のユアン・クレイグさんは、割烹やレストランともコラボレートする注目の陶芸家だ。
使うために作られた物こそ美しいという発想で、柳宗悦らと共に「民芸運動」を興し、自ら制作を続けた陶芸家、濱田庄司。その濱田が住み、制作の場としたことから、益子は民芸の街として知られる。濱田自身、イギリスで陶芸を学んだこともあり、国籍を問わず受け入れるオープンな土地柄だ。
民芸運動を現代に生かす街、益子
栃木県益子の中心にある「益子焼窯元共販センター」に新しくオープンした本格的なギャラリー「kyohan six gallery」。ここで、2〜3月の1カ月間、個展を開いていたのは、オーストラリア出身で、益子近郊に工房を構える陶芸家、ユアン・クレイグさんだ。
「益子で展示会を開くのは10年ぶりなんですよ。東京とか海外とか、あちこちで展示会をやっていたけど。県内でやること自体、5年前に宇都宮でやって以来なんです」
『用の美・美の用』と題されたこの展示会に寄せられたディレクターの紹介文は、次のように結んでいる。
「(筆者注:人々の生活に)一歩踏み込んでこそ、人々のライフスタイルを変える力を持つことができるのである。『用の美』とは本来そういうものであってほしい。民芸をグローバルに考えた時、こうした氏の姿勢は民芸を今の時代に継承する一つの方向を示していると言えよう」
陶芸の里としての益子の歴史は、江戸時代の終わりころからとされる。
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