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松浦晋也の「宇宙開発を読む」


浮上した日本の有人月探査計画(4)

2足歩行人型ロボットに偶像以上の意味はない

2009年03月25日  RSS  コメント(9件)

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 宇宙開発戦略本部の宇宙開発戦略専門調査会・第5回会合の資料(3月6日の宇宙開発戦略専門調査会・第5回会合の資料を参照のこと)には、「ロボット」という言葉が頻出する。今回のシリーズで問題にしている「資料3 先端的な宇宙開発利用の推進について(宇宙科学、有人宇宙活動、宇宙太陽光発電等)」(pdfファイル)の中でも、月探査を、「第1段階として我が国の強いロボット技術を活かした探査、第2段階としてロボットと有人の連携による探査を行うというアプローチで月探査計画を検討することが考えられる」(同文書p.6)と、ロボット技術を使った探査に意欲的な文言が入っている。

 また、3月6日の第5回会合では、毛利衛委員から、「日本の有人宇宙開発シナリオ」というA4判1枚の資料が提出され、「国際協力プロジェクトに、日本は日本の強い、ロボット、センサー、材料などの技術分野を基本に参加すべき」「国家目標として『日の丸人型ロボット月面歩行計画』を」というプレゼンテーションが行われた。特に後半の「月面二足歩行ロボット」の提案は、他の委員から好意を持って迎えられた。座長である寺島実郎氏(財団法人日本総合研究所会長)や、漫画家の松本零士氏(財団法人日本宇宙少年団理事長)といった委員が、強い賛意を示したという。

 ここでのロジックは、「日本はロボット技術で世界をリードする技術を持っている」「だからロボット技術を最大限に利用して月探査を」というものだ。毛利委員からの提案もまた同様のロジックを踏襲しており「日本は二足歩行ロボットの技術で世界をリードしている」「だから二足歩行ロボットで月探査を」というものである。

 しかし、宇宙開発戦略専門調査会におけるロボットの議論は2つの錯誤を含んでいる。まず、「日本は地上用のロボット技術は高い。しかし宇宙用ロボットの技術で世界をリードしているのはカナダであって日本ではない」ということ。もう一つは、「二足歩行は、二足歩行をする我々人間が構築した生活環境にロボットが入って来るために必要な技術であり、月を探査するのに最適な技術ではない」ということだ。

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