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松浦晋也の「宇宙開発を読む」テクノロジー

浮上した日本の有人月探査計画(3)(1/6ページ)

太陽系探査を放棄してまで、アメリカに追従するつもりなのか

2009.03.23

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 3月19日になって宇宙開発戦略本部のホームページに、やっと3月6日の宇宙開発戦略専門調査会・第5回会合の資料が掲載された。これで一般国民も、自ら有人月探査に関する議論のありようを検証することができる。

 宇宙開発戦略専門調査会の資料は、いつも会合から2週間遅れで掲載される。これはあまりに遅すぎる。資料自体は会合当日の記者レクチャーで配布されるものなので、当日にネットにアップしてなんら問題があるものではない。

 宇宙開発戦略本部は、本気で国民レベルからの宇宙開発の推進を行う意志があるのだろうか。ネットの速度で資料を出していかなければ、今や巨大な言論空間となったネットでの国民的議論は起きない。

 資料そのものは、会議終了時点で、すでに宇宙開発戦略本部事務局のパソコンの中にpdfファイルの形で存在している。「国民は余計な議論をしないほうが好都合」と考えているではないのならば、会議の資料は会議当日中にはネットにアップすべきである。

 また、アップされるファイル名が一律「siryo1.pdf」「siryo2.pdf」といったものであることも、利用者である国民の利便を全く考慮していないと言わねばならない。というのは、官庁の資料はその殆どが会議毎に「siryo+数字.pdf」なのである。つまりローカルに様々な会議の資料をダウンロードし、フォルダ別に整理していくと、資料が上書きされてしまって、手元に残らない可能性があるのだ。せめてファイル名に会議の名称を示す記号を入れてもらいたい。

 資料公開に対するクレームはこれぐらいにして──

 前々回、前回と問題にしている「資料3 先端的な宇宙開発利用の推進について(宇宙科学、有人宇宙活動、宇宙太陽光発電等)」(pdfファイル)には、奇妙な文言が入っている。「太陽系探査」の項目(文書P.5)の最後の部分だ。

○特に大規模な探査プロジェクトに関する今後の計画立案にあたっては、研究者からのボトムアップによる科学目的を保持しつつ、トップダウンによる国家戦略としての政策的な観点のすり合わせも踏まえ、決定する必要がある(これらを勘案した月探査計画は次項に示す)。

 この文面が、「月探査・有人宇宙利用」に入っているなら、理解できる。月探査はアメリカとの関係が入ってくる高度に政治的な問題だから、政治のトップダウンによる意志決定が入る、ということだろう。しかし、なぜ「太陽系探査」に、わざわざ「政治からトップダウンの意志決定が介入する」と書き込むのか。

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