(田中 元=介護福祉ジャーナリスト)
厚生労働省は、2007年度における国民健康保険の医療給付費が高額だった24都道府県の109市町村を「医療費適正化が必要な自治体」に指定した。指定を受けた市町村は3月末までに原因の分析や適正化目標などの計画を策定する必要がある。医療給付費の乱用はもちろん避けるべきことであるが、必要なものはやはり支出せざるを得ないわけで、はたして厚労省のこの通達は正当なものなのか。医療給付費の現状と併せてレポートしてみたい。
全国で100以上の市町村が医療費の「基準値」をオーバー
去る1月30日、厚生労働省は「国民健康保険法第68条の2第1項の規定に基づく、平成21年度の指定市町村」を発表した。国保法第68条の2とは、いわゆる国民健康保険からの医療給付がかさみ、事業の安定化措置が必要な市町村を指定するものだ。
具体的にはこうだ。その市町村において1年間に国民健康保険から拠出された平均医療費(実績給付費。災害などの特別事情によるものを除く)が、その市町村にとって基準となる給付費(基準給付費)の1.14倍を超えたときに指定される。
この「基準給付費」とは全国の平均値ではない。高齢者が多い市町村は医療費が高くなるなどの実態をふまえたうえで、調整をほどこした数値となる。算出法としては、その市町村における被保険者を5歳ごとに分け、それぞれの人数に全国の5歳ごとの1人あたりの平均給付費をかけて導き出す。
厚労省によって指定を受けた市町村は、同省のウェブサイト上でまさに「名指し」される。名指しされた市町村は、今年3月末までに国民健康保険事業の運営を安定化するための計画(安定化計画)を定めなければならない。この安定化計画は策定すればいいというものではなく、その計画通りやってみて、次年度までに一定の成果が得られなければペナルティが待っている。
ペナルティの中身はこうである。先に述べた実績給付費が基準給付費の1.17倍を超えてしまったとき、翌々年度において、その超えた部分の3%を限度として国庫補助の対象外にする。ちなみに、保険給付部分の国庫補助は本来50%。対象外となった50%については、国と都道府県、市町村が3分の1ずつを負担し、特別会計扱いとなる。
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