直轄負担金(国直轄公共事業の地方負担金)の削減を求める地方自治体が相次いでいる。大阪府の橋下徹知事は、2009年度予算案で建設事業の直轄負担金を2割カットする、と宣言した。
気をつけなければ、「とったり」で国に引き倒されてしまう
国の直轄事業については、地元にも便益があるという理由から、直轄負担金という形で地方自治体も費用を負担している。道路の場合は、建設費の3分の1が直轄負担金となる。
大阪府のように財政が厳しい地方自治体は、この直轄負担金が重荷となっている。たとえば国が600億円の事業を実施すると、直轄負担金は200億円になる。地方が「200億円も出せないから100億円でいい」と言っても、国は「600億円の計画なんだから、とにかく200億円出せ」と言う。これでは「まるで奴隷制度だ」と橋下知事は怒って、直轄負担金のカットを宣言したのだ。
しかも現状では、直轄負担金について「明細のない請求書」が地方に送りつけられる。たとえば普通の人がホテルに泊まったら、宿泊代はいくら、コーヒー代はいくらと明細が出てくるだろう。しかし、直轄負担金については、きちんとした明細もなく、国が「とにかく地方は金を出せ」と請求書を送りつけてくる仕組みになっている。そういう不合理性があるから、直轄負担金を見直すことがたしかに必要だ。
しかし、単年度の直轄負担金をカットしても、国土交通省はその分の事業費を減らして完成年度を先送りするだけであって、構造改革にはつながらない。それどころか、直轄負担金をゼロにしたいという地方の声が悪用されて、国にバラマキ予算が組まれる危険性がある。橋下知事の発言も、気をつけなければ国交省にとって「飛んで火にいる夏の虫」になる。相撲でいえば、突っ張っていたはずが、いつの間にか「とったり」で相手にかわされ引き倒されてしまうようなものだ。
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