(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

イラスト:小林商事
昨年末から、食事や娯楽などの消費を家庭で完結させる「巣ごもり消費」の傾向が強まった。サブプライムローン問題に端を発する世界経済の悪化が、家計にも影響を及ぼしたからだ。ただ巣ごもり化の傾向は、今に始まった話ではない。むしろ90年代以降に共通する、長期的な消費傾向とも言えるかも知れない。
日本の個人消費動向は、昨年以降、悪化の一途を辿っている。まず米国のサブプライムローン問題やリーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに、世界的な経済危機が到来。日本もその影響を受けた。そして、最初は企業部門に留まっていた悪影響が、最近では個人消費にも波及した。内閣府が2月19日に発表した月例経済報告でも、個人消費について「緩やかに減少」と表現している。同報告が個人消費の「減少」を指摘したのは初めてのことだ。
消費減少の裏打ちとなるのに「節約」という傾向がある。例えば外食では低価格の居酒屋が人気だ。また情報雑誌の東京ウォーカーは「一次会からカフェで酒を楽しむ『カフェ酒』が女性に人気」と伝えている。このようなカフェの利用形態なら、居酒屋の出費よりも安く済む。一方ネット通販の分野では「わけあり品」の人気も高い。これは正規の流通に乗せられないが、品質に問題ない安価な商品を指す。
この節約傾向がさらに進むと「巣ごもり消費」となる。まるで雛鳥が巣に入っているように、人間が自宅の中であらゆることを完結させようとする消費傾向を指す。具体的には、テレビゲーム・ネット・自宅での食事などの消費が好調で、レジャーや旅行などの消費が不調であるような傾向を言う。マスコミによっては、引きこもり消費とかイエナカ消費などの語形を用いる場合もある。





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