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“モノ消費”の崩壊

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市場半減!~成熟社会化による
“モノ消費”の崩壊(1/5ページ)

2009.03.03

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(桐原 涼=経営評論家)

衰退基調の日本経済

 急坂を転げ落ちるように景気が悪化している。現在特に深刻な危機に直面しているのが輸出産業であるが、内需産業の状況も芳しくない。人間の病気に例えれば、両者とも重体であるがその症状は異なる。輸出産業の場合は、世界経済という名の車が急停車したショックで複雑骨折したようなもので、世界経済が回復に向かえば最悪期を脱すると思われる。

 これに対して内需産業の病状は、慢性疾患により体が痩せ衰えていくようなものだ。日本市場は構造的に縮小しており、その速度は加速化している。このように考えると、内需産業の状況はより深刻だ。

 長期的に見れば、バブル崩壊以降の日本経済は右肩下がりのトレンドに入っている。1990年に3万円台だった日経平均株価は、その後長期低落傾向で推移し、現在は7000円台に沈んでいる。これは日本経済の体力低下を物語るものであり、その背景には、構造的な市場の衰退があると考えられる。

市場半減!

 消費市場の縮小傾向は、さまざまなデータで確認することができる。1991年に約9.7兆円あった百貨店業界の売上高は、2008年には約7.4兆円に縮小した。これは約24%の減少である。また1991年に159万店あった小売店舗数は、2007年には114万店に減少した。これは28%の減少だ。

 また1990年に598万台あった新車登録台数は、2008年には321万台に落ち込んだ。これは46%の減少だ。そして家計における1カ月平均の衣料品消費支出は、1991年では約2.38万円であったが、2008年には約1.26万円に減少した。これは47%の減少である。自動車や衣料品などの基幹消費財の消費が、ほぼ半減するような状況は深刻である。

 もちろん消費の実情はまだら模様だ。携帯電話のように市場が急拡大した商品もあるし、医療費などサービスに対する消費は趨勢的に拡大している。ただし基礎的なモノに対する消費が、バブル期をピークに趨勢的に縮小していることは間違いない。日本の消費者は、モノを買うことに対してどんどん消極的になっている。

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