先週の「課題」について考えてみましょう。
ロンドンでは都心部に入るクルマに課税し、一定の成果を上げました。都心部(たとえば東京で言えば、千代田区、港区、中央区の3区など)に入る境界線にカメラを設置し、ナンバーを撮影し、通過した車の持ち主に「流入税」を数日以内に請求することで、払わないクルマは差し押さえるなどの強硬手段をとって、税金を払うことを定着させました。
この方法でCO2発生が抑えられるとしたら、なぜでしょうか? どのようなメカニズムで、どんなクルマが抑制されるのか、考えてください。
(ヒント)「お金を払いたくないから」という理由では考えが足りません。都心にクルマで入る必要がある人は必ずいるし、もしクルマで入らないなら、その人はどうするのかまで考える必要があります。
ロンドンのロードプライシングが成功したために、ロードプライシングや流入規制をCO2削減の切り札のように言う人もときどき見受けられるのですが、注意が必要です。
ちなみに、ロードプライシングと流入規制はイコールではありません。まず流入規制という概念があり、その方法としてロードプライシングがあります(下位概念)。流入規制のためには、ロードプライシングの他に、クルマのナンバーの偶数奇数で、奇数日には奇数ナンバーのクルマのみ、偶数日には偶数ナンバーのクルマのみというように規制する方法や、1人乗りのクルマはダメ、複数乗ったクルマのみが通行できる、といった方法もあり、試されてきました。
クルマのナンバーで規制すると、お金持ちや大企業は、複数のクルマを所有して日ごとに乗り換えることで、結局、都心部へのクルマの流入量は変わらないという結果になりました。乗車人数で規制すると、都心部への「関所」の手前にダミーの「相乗り屋」が出現しました。関所の手前で待機し、1人乗りのクルマが通りかかると、小銭を取って車に乗り込み、関所を通過した先で下りて、「相乗り屋」は歩いて関所の外に戻る、というわけです。
このような失敗を経て、ロンドンでは画像処理と大規模データベースを使って、ロードプライシングに取り組みました。画像処理でナンバーを把握する技術と、全国の車輌データベースと参照し、所有者住所に自動的に請求書を送るシステムという大規模なシステムが、この方法を支えています。
バックナンバー
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- 生物多様性を理解する(2009年07月16日)
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- 日本の温暖化対策のふがいなさ(2009年07月02日)
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