(中村 正三郎=プログラマ・著述家)
ジェイコムの株式をめぐる誤発注で損害を被ったみずほ証券が、415億円の損害賠償を求めて東京証券取引所を訴えた裁判の判決が2月27日に下る。東証のシステムがレガシー(陳腐化)化し、多くのトラブルを発生させていることは周知の事実。判決内容によっては今後の東証の経営戦略にも大きな影響を与えることは確実だ。今回は主としてシステム面からこの問題を考えてみよう。
必ずしも「メインフレーム=レガシー」ではない
2005年12月に発生したジェイコム株の誤発注で、みずほ証券が400億円以上の損失を出したことをご記憶の方も多いだろうと思う。みずほ証券は「東証が証券市場の担い手であるにもかかわらず、十分なインフラの整備を怠った」とし、損害賠償を求めて、東京証券取引所を訴えた。この裁判の判決がきたる2月27日に出ることになった。
個人的には、みずほ証券の主張には一理以上の理があると思っている。東証のシステムには重大な不備があると判断せざるを得ない状況があったからだ。
例を挙げよう。ジェイコム株の誤発注事件の1カ月前の2005年11月にはプログラムのバグで全銘柄の取引停止。翌2006年1月には、いわゆるライブドアショックで売り注文が殺到して処理能力が追いつかず、全銘柄取引停止があった。その後もシステム障碍が度重なり、昨2008年も表沙汰になっただけで3件のトラブルが発生している。東証のシステムは瀕死の状態と思える。
こう書くと、すぐ「東証のシステムはメインフレーム(企業の基幹業務を担う汎用大型コンピュータ。1990年代まではごく一般的なシステムだった)を使っている、レガシーなシステムだから」という声が聞こえてきそうだ。しかし、単にメインフレームを使っているから、あるいはハード・ソフトがオープン系(一般にはUNIXやWindowsのシステムを指す)のものではないから、レガシー問題が発生するわけではないことは強調しておきたい。
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