緊急避難型ワークシェアリングは「みんなでガマンしよう」?
最近、ワークシェアリングという言葉を耳にする機会が増えた。日本経団連の御手洗会長が「ひとつの選択肢」と語り、実際に、東芝や富士通などで導入が発表されている。なんとなく「どうして急に?」の戸惑いもあるが、それだけ雇用情勢が危機的と理解できなくもない。
たしかに、ワークシェアリングは、「雇用の維持・創出を目的として労働時間の短縮を行うもの」で、「緊急対応型ワークシェアリングの実施に際しては、経営者は、雇用の維持に努め、労働者は、所定労働時間の短縮とそれに伴う収入の取り扱いについて柔軟に対応する」(ワークシェアリングに関する政労使合意について 2002年3月29日)とある。
まさに適切にして適宜な対応(?)のひとつなのかもしれない。
そこで、生産管理を研究している学生スタッフと(正確には院生)、ワークシェアリングを工数で考え議論してみると、それほど単純ではない側面が見えてきた。
工数をザックリと説明すれば、「人日」あるは「人月」という単位であり、作業見積に使われることが多い(かなり大ざっぱです)。特定の作業(X)を想定し、AさんBさんを作業担当として例えれば、工数分析は次のようになる。
・作業(X)の工数:2人日
・作業(X)のスキル:時給1000円で評価されるスキル
・作業(X)の担当:Aさん(時給1000円)Bさん(時給1000円)の2人
・作業(X)の実作業時間:8時間
・作業(X)の日次人的コスト:時間単価1000円×2人×8時間=1万6000円
工数計算の専門家には「おいっ」と叱られるかもしれないが、作業(X)は、「時間単価1000円」のスキルを持つ担当者で「2人日」という工数としよう。したがって、作業(X)の「人的コスト」は、「1万6000円/日」となる(きわめて乱暴に単純化してます)。
ところが、景気の悪化とともに、「作業(X)」による成果物の販売数が激減しているのが現状としよう。「人的コスト=1万6000円/日」では採算割れになり、作業(X)そのものの削減も検討課題となる。