1月30日に政府が発表した2008年12月の完全失業率(季節調整値)は4.4%。驚いたのは前月比0.5ポイントも上昇していること。前例を知らなかったが41年ぶりの悪化速度だという。
政府や財政当局の事情で歪められる見通し
日本の失業率は欧米各国に比べると低い。また2008年年初の3.8%が11月は3.9%とほぼ横ばいであった。
失業率が低い理由の一つは企業の努力だ。景気が悪化してもなるべく首を切らずに企業内失業でとどめている。そしてもう一つ。大きな要因は労働意欲喪失者の存在だ。すなわち失業した人が再就職を諦めて非労働力に転じる場合が多い。このように雇用環境の悪化は歯止めがかかっていないどころか、これから一段と深刻になることが確実だ。
それにしても政府の見通しの甘さには憤りすら感じる。政府が閣議で確認した2009年度実質成長率の見通しは0%。これに対して日銀の見通しはマイナス2%。ほぼ民間エコノミストの予測と同じ水準と言える。IMFの予測はもっと厳しく暦年でマイナス2.6%となっている。妥当な予測だと思う。ひょっとするとマイナス3%台にも乗るかもしれない。
政府の0%の見通しを信じる人がいるだろうか。完全失業率と同じ日に発表された12月の鉱工業生産指数をみると、10〜12月期で過去最大の前期比11.9%も低下している。
政府の経済見通しは常に楽観に流れがちである。それは、楽観したほうが元気が出るというのも理由の一つだろう。また、悲観的な予測にすると経済運営の責任も問われるし、一層大規模な景気対策を求められるからだ。さらに、経済見通しに沿って税収を見積もるから、成長率を低くするとより多くの国債発行を当初予算の段階から計上しなければならなくなる。そういう財政当局固有の事情が見通しを著しく歪めてしまうのだ。
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