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松浦晋也の「宇宙開発を読む」


宇宙基本計画策定に向けて(5)

“理工一体”の宇宙科学推進体制の再構築を
世界一線級の尖った計画を推進できる体制が必要

2009年01月19日  RSS  コメント(7件)

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 ここまでの4回で、日本の宇宙開発を浮揚させるにはブートストラップ方式を採るべきであること、ブートストラップのための“最初の靴ひも”としては、産業界が考えるような「安全保障」ではなく、「宇宙科学と探査」が最適であることを解説してきた。

 ただし、このことは即「現状の日本の宇宙科学に予算を付けよ」と主張するものではない。

 宇宙科学というと、多くの人は宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究本部(JAXA/ISAS)を思い浮かべるだろう。確かにJAXA/ISASは、「理工一体の研究」というスローガンを掲げ、かつては華々しい成果を挙げてきた。しかし、2003年の宇宙三機関統合以降、JAXA内部では、組織のありようをすっきりさせることを名目に、旧ISASの計画的解体が進んできた。

 現在のJAXA/ISASには、かつての「文部省・宇宙科学研究所」のように理学系研究者と工学系研究者が一体となって、世界第一線級でチャレンジングな衛星や探査機の計画を推進する能力はもうない。「理工一体」のスローガンは残っているが、統合とそれに続く組織改変で、実態としての「理工一体」の土壌は根こそぎにされたと言っても過言ではない。

 ブートストラップ方式による宇宙開発の進展を目指すためには、科学衛星計画が即技術開発に結びついている必要がある。産業界が求めるのは科学的成果ではなく、技術的成果であるからだ。そのためには科学衛星計画が、理系研究者の探求心を満足させるだけではなく、協力する工学系研究者、あるいはメーカーにとってもチャレンジングであり、なおかつ実現可能な目標を掲げる必要がある。

 今こそ、「理工一体」の組織が必要なのだ。

 宇宙科学と探査を宇宙開発全体が浮揚するための“最初の靴ひも”とするためには、新たな「理工一体型の開発体制」を作り上げねばならない。

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