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松浦晋也の「宇宙開発を読む」


宇宙基本計画策定に向けて(3)

宇宙科学・探査を“最初の靴ひも”として
宇宙開発全体の浮揚を

2009年01月13日  RSS  コメント(1件)

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 前回、日本の宇宙開発には、国家予算即産業規模で終わるのではなく、「利用と開発とが両輪となって相互に刺激し合う」ことで投資額を超えた効果が生まれるような「ブートストラップ」効果が狙える分野に投資していくべきと述べた。

 その分野とは、私の見るところ宇宙科学と探査である。この場合の宇宙科学は、狭義の旧宇宙科学研究所が行ってきた衛星を使う科学研究だけではなく、地球観測から太陽系探査に至るまでの宇宙空間を利用した科学研究活動を指す。

 宇宙科学・探査に投資することで、日本の宇宙科学が進展するのはもちろんのこと、広範囲に実利用に適用可能な技術を手に入れることができる。それは、当然のことながら安全保障分野にも応用可能である。「にも」というところが重要だ。宇宙科学・探査への投資の成果は、宇宙開発全般に展開することが可能である。様々な分野に出来要された成果は、さらなる成果を生み、日本の宇宙開発を全体として大きく進展させることになるだろう。

科学衛星は成功すれば必ず成果が出るし、その成果は公開される

 まず、宇宙科学が他分野に比べて、ブートストラップ方式における“最初の靴ひも”としてどのように優れているかを見ていこう。

 まず、宇宙科学は科学者が適切なミッション目標を設定するならば、必ず科学的成果を挙げることができる分野であることが挙げられる。「技術のための技術開発」ではなく「科学的成果のための技術開発」というニーズ先行型の技術開発を行えるわけだ。しかも、世界第一線級の成果を挙げるために、世界一線級の技術開発を行うことが不可欠となる。積極的に実現困難な技術に挑むモチベーションも維持することができるわけだ。

 さらには、計画に参加する科学者達が論文を書き、その論文が一流の論文誌に掲載され、過去の認識を変えるほどの成果を挙げれば、それは“科学立国”日本の国際的な地位を向上することにもつながる。

 つまり、宇宙科学への投資は、まず宇宙科学という一点で成果が完結している。さらには科学立国という国際的ステータスの向上、ひいては国威の発揚にもつながることとなる。

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