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時評コラム

田原総一朗の政財界「ここだけの話」

派遣首切り問題の
根っこにあるもの

働くとは何か?経営とは何か?を問うべき

 このような事態になった背景にはいくつもの問題があると思う。

 一つは、連合だ。これまで連合が最も官僚的であった。連合というのは、正規社員のための労働組合の集まりだ。つまり、正社員を守るのが連合なのだ。派遣労働者などは、組合員ではないので、連合は関係ない。本来は、すべての労働者を守るのが連合であるはずなのに、今は、正規社員を守るのが連合になってしまっている。だから、正規社員以外の労働者を守る組織がない。

 さらに問題なのは、かつてならば、非正社員が10万人、20万人も首を切られるという事態になったら、これを組織化するといった動きが起きたが、今はそういう動きが出てこない。これは何なのだ。

 “経営”とか“労働”といったことに対する教育が根本的に抜けているなと感じる。一つには、「働くとは何か」という意識がつけられないままの人間が働いているということがあるのではないか。そして、首を切られたら「さあ、どう生きていこうか」となってしまう。

 「経営」について言えば、企業が存在しているということには社会的責任が伴う。従業員を守るだけではなく、社会的責任があるのだ。社会に派遣労働者を数多く出して社会問題を起こすというのは、企業の社会的責任の問題だ。そこに経営者の考えが及ばなければならない。やはり、「経営とは何か」ということへの教育の欠陥を感じずにはいられない。

 同時に、働く側にも、「労働とは何か、働くとはどういうことなのか」とうい教育が必要だ。本来は、派遣会社などが、そういう教育をしなければならないのだと思う。さらに、派遣会社自身が、派遣会社の中に労働組合を作るなど、そういった動きがあるべきだ。

 だから、この“首切り問題”は、経営側にも、労働者側にも、両方に根本的な認識がない中で起きた事態だと思う。

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