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医療崩壊 ~医師不足を切り口に~(1)(1/5ページ)

2009.01.01

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松下政経塾 医療研究会(熊谷 大、北川 晋一、高橋 宏和、津曲 俊明)

 昨今声高に叫ばれるようになった「医療崩壊」を医師不足という観点から照射し、崩壊の原因と課題、そして解決策を3回に分けて探る。まず第1回では問題の所在と課題を明らかにする。第2回では現地現場で見聞きしてきた医療現場の現状を紹介し、第3回で提言を提示する予定だ。

問題はどこにあるのか ~医師不足の議論~

 医師は不足しているのか、それとも足りているのか。今まで様々な議論がなされてきた。各県一医大(各県に必ず医科大学を1つ創設する)構想や私立新設医学部の急増により、一時は医学部入学定員が大幅に増やされたが、その後、医師過剰が危惧されたため1984年以降、医学部の定員が最大時に比べて7パーセント減らされた。

 昨今、以下に示す新臨床研修医制度の影響などで医療の場においては、医師の不足が大きく叫ばれるようになってきている。

 医師不足の議論は、絶対数の不足、医療機関での必要医師数の不足、都市・地方の地域偏在による不足、診療科毎の医師数の不均衡などに分類できる。

 これらの議論に大きく関わってくるのが、医師の教育体制である。医師の養成から就職にまで強い影響力を持つこの教育体制は、医局講座制と呼ばれている。医局講座制とは何なのか? まず、そこから見ていこう。

医局講座制とは?

 医師不足を考える際に、避けて通れないのが医局講座制である。

 従来、医師は大学で6年間の教育を受けた後に、自分の専門領域を選択し、「医局」と呼ばれる組織に入る。医局とは、大学教授を頂点として、准教授、講師、助教などの序列を持った組織であり、大学院で博士号を取得する際にも、また、病院に就職する際にも、大きな影響力を持つ。

 すなわち、医師は、医学部での教育を受けるときから、その後、専門性を高めるために研究するときにも、またさらに、就職先を考える際にも、医局の影響力下で決めなければならない。いわば、医師は自分の医師人生を医局に委ねるような形となる。

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