吉原欽一
社団法人アジアフォーラム・ジャパン専務理事
オバマ米次期大統領は、当選から一夜明けた11月5日、さっそく「政権移行チーム(The Transition Teams)」を設置した。政権交代にともない、閣僚はじめ各省庁の政治任用ポストが総入れ替えになるアメリカでは、政権を円滑にスタートさせるために、前政権との引き継ぎをおこなうチームを結成するのが恒例となっている。だが、「中核チーム(Core Team)」だけでなく、7日にはポール・ボルカー元FRB(米連邦準備理事会)議長や、グーグル(Google)のエリック・シュミットCEO(最高経営責任者)ら財界の大物17名からなる経済顧問団まで選出し、直ちに初会合をおこなったことは、経済再生にかけるオバマの意気込みを表すものといえよう。
中核チームを率いるのは、ビル・クリントン政権の首席補佐官だったジョン・ポデスタを筆頭に、日本人の母親をもつピート・ラウズ(大統領上級顧問に内定)、ワシントン政治とは無縁の黒人女性ヴァレリー・ジャレット(同)という3人の共同議長である。ラウズはもともとトム・ダシュル元上院多数党院内総務の首席補佐官で、ダシュルが2004年の選挙で落選した後は、議会担当補佐官に内定したフィル・シリロらとともにオバマが譲り受けたスタッフである。なお、ダシュル自身もオバマの後見人的な立場にあり、新政権では厚生長官に内定している。そしてジャレットは、1990年頃にシカゴ市長の次席補佐官を務め、現在は不動産会社のCEO。補佐官時代、オバマと結婚する前のミシェル夫人を市に採用して以来、オバマ夫妻と家族ぐるみの付き合いをしている親友だ。
つまり共同議長たちは、それぞれオバマ新大統領とクリントン前大統領の名代として、政権移行チームを運営しているのである。
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