ネットの戦いの勝利を投票に結びつけたオバマ陣営
米大統領選挙は、結局オバマ候補が勝利した。その勝因の一つに「ネット」をあげる意見は多い。もっとも「ほかの国の選挙に騒ぎすぎ」という気もするし、「マケイン完敗!オバマの驚くべきインターネット活用術(DIAMMOND online ビジネスモデルの破壊者たち)」には戸惑いも残る。
ただ、データ的にはオバマ陣営の大勝利──「ネットの戦いでは」圧倒的な勝利だったのは間違いない。
techPresidentというサイトによれば、FacebookでもMySpaceでも、オバマ陣営はマケイン陣営を大きく引き離している。また、YouTube viewsで約4倍の差がついたのも、いわゆる「オバマ・ガールズ」効果だけではないだろう。
かといって「オバマ氏の勝利 ネット選挙時代の本格到来か(産経ニュース 11.8)」とされると「ちょっと待って」となってしまう。
Web屋風情がいうものナンだが「選挙は当選してこそ」である。どんなにネットで話題になっても、投票行動に結びつかなければ意味がない。
たしかに、オバマ陣営ではFacebookで「オバマ’08」アプリケーションを提供したり、Twitterの専用ホームやフェースブック風のサイトなど、web2.0系の双方向ツールを用意した。しかし、あえていえば「それはWeb屋やシステム屋なら誰でも思いつきそうな」発想だ。
考えるべきは、それらのツールで当選という目的を「達成した」か「できなかった」かである。
その視点でみれば、オンラインでの小口献金を中心に「オバマ陣営の9月の選挙資金、152億円突破で過去最高(YOMIURI ONLINE 10月20日)」は成果だろう。また「オバマ氏は18〜29歳でマケイン氏の倍以上の支持を得た(YOMIURI ONLINE 11月5日)」や「今回初めて投票した人のうち72%はオバマ氏を支持(asahi.com 11月5日)」も成果の一つともいえなくもない。そして、なによりも「当選」という最終目的を達成した。
それを「活用術」とか「ネット選挙」とするには少し抵抗がある。
なんといっても「ツールの利用、オンライン献金、活動への参加、投票」は、情報へのアクセスとはレベルが違う。ユーザーの行動意欲を喚起し、行動を組織しなければ実現できない。オバマ陣営は、それに成功した。
いわば「情報から行動へ」とユーザーを向かわせた原動力──そこに「ネット」で圧勝できた秘密がありそうだ。
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