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松浦晋也の「宇宙開発を読む」


三菱重工、初の商業打ち上げ受注(2)

静止軌道投入のエネルギー削減が必須

2008年11月12日  RSS  コメント(3件)

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(前回記事はこちら

 種子島からの静止衛星打ち上げには、北緯30度という位置から来る根本的問題が存在する。静止トランスファー軌道から静止軌道へと移る際に必要なエネルギー量が他の打ち上げ基地と比べて大きくなってしまうのだ。これは、静止衛星の寿命に直接影響する。衛星寿命は、衛星利用ビジネスの収益性に直接影響するため、このままでは種子島からの静止衛星打ち上げは、ビジネスとして絶対的な不利を背負うことになる。

 今後、種子島を使って商業打ち上げビジネスを継続するつもりならば、打ち上げに使用する軌道を工夫して、静止トランスファー軌道から静止軌道への遷移に必要なエネルギー量を削減することが必須である。そのためには、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が様々な技術開発を行わねばならないだろう。

打ち上げ基地の緯度が、静止衛星打ち上げに必要なエネルギーに影響する

 種子島宇宙センターは北緯30度22分に位置する。一方、アリアンスペース社がアリアン5ロケットを打ち上げている南米フランス領ギアナのギアナ宇宙センターは北緯5度3分。この差は、赤道直上に存在する静止軌道への打ち上げに必要なエネルギーの差となって現れる。

 種子島宇宙センターから打ち上げられた静止衛星は、H-IIAロケットにより近地点高度250km、遠地点高度3万6000km、軌道傾斜角28.5度の静止トランスファー軌道に投入される。

 その後遠地点で衛星搭載のアポジエンジンを噴射して、赤道上空3万6000kmの静止軌道に入るが、軌道傾斜角を28.5度から、静止軌道の0度へと曲げる際に余分なエネルギーが必要になる。

 一方、ギアナ宇宙センターからの打ち上げでは、静止トランスファー軌道の軌道傾斜角は0度であり、静止軌道投入にあたって軌道を曲げるのに必要なエネルギー不要となる。

 つまり、ギアナからの打ち上げでは、種子島からの打ち上げよりも、静止軌道に投入する衛星質量を大きくできる。

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