(聞き手:長田 美穂=フリーライター)
今、ドラッグストアに行けば、一角には大概どこにでも、「スクラッチ」の専用棚が設けられている。180万個を売った「スクラッチ」シリーズは、足のかかとの肥大した角質を、削って落とすための小さな棒を皮切りに、「耳かき」「毛抜き」そして「かかとを削るおろし金」と品揃えを増やしてきた。 発売元の素数(東京・恵比寿)は、発売2年で4商品を投入、膨大な数の生活雑貨であふれるドラッグストアにおける定番ブランドを立ち上げた。流通激戦区に食い込むには、どのような工夫があったのか。担当した小幡純子副社長に聞いた。

角質を大根おろしのように削りおろすという意味のネーミング
「スクラッチ」の第4弾は、かかとを削るおろし金。「かかとおろし」と書いたPOP(店頭販促)がドラッグストアで大きく展開されていますね。
小幡 本当の商品名は「ワイドスクラッチ」(3360円)と言うんです。今年7月1日に発売し、10月末までには10万個出荷する見込みです。順調な滑り出しです。
「かかとおろし」は、かかとの余分な角質を大根おろしのように削りおろすという意味で、絶妙な表現ですよね。スポーツ新聞の広告やPOPで大々的に使っています。
でもこの言葉については、おろし鋼を足の裏に当てて削るなんて、消費者に怖がられるんじゃないかという意見もありました。
この鋼の形状は、米国のグレイスマニュファクチュアリング社(本社・アーカンソー州ロッセルビル市)の持つ特殊な技術です。
鋼の部分は、少し半円に盛り上がった部分が米印のような形にくり抜かれています。私たちは「マイクロ3Dエッジ」と呼んでいます。上から手で触っても、突き刺さったり切れたりしません。でもかかとに当ててクルクル回すと、余分な角質だけを削り取ります。そして決して削りすぎて皮膚を痛めることはないんです。
グレイス社の技術では、化学薬品で溶かして、この出っ張りと穴の形を作ります。
仮にこの刃を、圧力を加えて成形する方法で作ると、たとえ機械で行ってもわずかな誤差が生じます。ところが化学薬品で溶かす方法では、全く同じものができあがるんです。
誤差があると足に当てたとき、どこかが引っかかったり深く削りすぎてしまう危険がでます。でもこのマイクロ3Dエッジは全く均質なので、足に当てても安全です。
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