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なかなか治まらない片頭痛には「呉茱萸湯」

2006年03月24日

 片頭痛に悩まされて、仕事に支障を来しているビジネスパーソンをよくみかける。ずきずきと脈打つ痛みが頭の前面、側頭部を中心に1〜2時間続き、反復して起こる。目がチカチカしたり、中心や片側が見えなくなったり、半身にしびれ感が出ることもある。



 片頭痛は、疲労や睡眠不足、ストレスによって誘発され、男女別にみると女性に多く、家族に頭痛持ちがいる人にも起こりやすいと言われている。



 西洋医学では片頭痛を、症状が出始める前に、脳の中の血管やその周辺の血管が収縮し、次いで拡張して起こる血管性の頭痛と見なしている。このことから、血管収縮作用をもつ薬や精神安定剤を用いて治療に当たる。



 一方、漢方医学では、片頭痛のような慢性頭痛は、「水」の体内でのめぐりが悪く、水がたまるために起こる「水毒」によるものと考える。実際、胃の中に水がたまっていたり、尿の出方が悪かったり、手足の冷えなどがみられる人が多いため、そうした症状に応じた処方を選んでいく。



 よく使われる漢方薬としては、「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」、「五苓散(ごれいさん)」(関連記事:「つらい二日酔いには『五苓散』」)、「桂枝人参湯(けいしにんじんとう)」、「川きゅう茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)」、「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」、「加味逍遥散(かみしょうようさん)」などがある。多くの著効例が知られており、積極的に漢方薬を使う医師もみられる。



 呉茱萸湯は、疲れやすく、手足の冷えがある虚証タイプの人で、吐き気を伴う頭痛に用いられる。強い痛みを伴う頭痛発作を繰り返し、じっとしていられない片頭痛によいといわれている。



 さらに、一般に、痛みの発作が起こった時に上腹部の胃のあたりが膨満し、つまった感じを訴えることが多かったり、発作の際に、頭が痛む側のうなじの部分の筋肉が収縮して、肩から首にかけて凝りがひどいときにも良い。この薬には、発作を抑えるだけではなく、長期にわたって連用すると、発作が起こらなくなる効果もあるといわれている。



 五苓散は、胃の中に水がたまっているときに用いる薬で、のどが渇いて尿量が少なく、頭痛があるときに適している。口渇、尿の量・回数が少ない、尿が全然出ない、発熱、頭痛、めまい、腹痛、下痢、むくみ――など、いずれかの症状がある片頭痛に用いる。



 桂枝人参湯は、日ごろから胃腸が弱く、胃がもたれて下痢しやすい人の片頭痛に適している。川きゅう茶調散は、体力の強弱にかかわらず、かぜを引いた後の頭痛や、頭重感が取れないときや女性の常習頭痛によく使用する。



 桃核承気湯および加味逍遥散は、ともに生理不順で、ときどき片頭痛がある女性に使われる。桃核承気湯は、中でも体格がよく便秘しがちな人を対象とし、加味逍遥散は、体格がそれほどよくない、神経質で冷え性の人を対象にする。



 なかなか治まらない片頭痛に、一度は漢方薬を試してみるのもよいかもしれない。



(天野 宏=医療ジャーナリスト)





イラストレーション/川崎のりこ(PLUM GRAFIX










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