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東北大、天然ガスから水素ガスを高効率でつくる技術開発にメド(第2報)

2006年2月14日

改質システムのプロトタイプ。現在はもっと大型の改質システムを開発中

東北大学大学院工学研究科知能デバイス材料学専攻の高村仁助教授の研究グループは、都市ガスの主成分である天然ガスから水素ガスを高効率でつくる改質技術を開発した。家庭用の固体高分子型燃料電池(PEFC)を普及させる必要条件の一つである水素ガス製造法に、一酸化炭素(CO)の部分酸化反応による改質技術など組み合わせて適用したもの(第1報を参照)。


高村助教授は、第一工程でCH4を酸素ガス(O2)によって部分酸化して水素ガス(H2)と一酸化炭素(CO)をつくり、続いて第一工程の反応でできたCOを第二工程として水蒸気(H2O)によって変成し、2酸化炭素(CO2)と水素ガス(H2)をつくる。2段階の両方の反応を合わせると、1モルのCH4から3モルのH2をつくることができる。


同研究グループの中の松本広重助教授グループ(九州大学大学院研究院応用化学部門)は、できた水素ガスを混合ガスの中から高温プロトン導電体を利用した“水素ポンプ”によって分離し、純水素ガスをつくる工程(温度500〜800℃)を担当した。この第二工程と組み合わせる2段階工程によって、天然ガスから水素ガスをつくる技術の開発にメドがついた。


水素ガス(H2)を透過させる高温プロトン伝導体として、SrZrYO(Sr=ストロンチウム、Zr=ジルコニウム、Y=イットリウム、O=酸素)の複合酸化物などに、0.3V程度の直流電圧をかけると、水素ガスを効率よく選択・吸収し、濃縮・加圧することを見いだした。このため、「水素ポンプ」と呼んでいる。


高温プロトン伝導体層にPt(白金)のアノード電極をメッキで接合し、水素原子を水素イオン(プロトン)と電子に分離させ、伝導体内を透過し、もう一方の電極で電子と再結合し水素ガスとなる仕組みである。


高村助教授の研究グループは、部分酸化反応の第一工程と変成反応の第二工程の2工程によって、天然ガスのCH4から水素ガス(H2)を高効率でつくり出す水素ガス製造法の確立にメドをつけた結果、酸素透過膜型を用いる改質システムの実用化開発に着手した。


酸素透過性セラミックスであるSm添加CeO2-MnFe2O4微細結晶複合体は、固体酸化物型燃料電池(SOFC)の実用化開発に用いられているPSZ(部分安定化ジルコニア)の熱膨張係数の11〜13×10-6/℃とほぼ同じであるため、これまで開発され蓄積された燃料電池開発の要素技術がそのまま適用できると判断している。


セパレターは酸素透過性セラミックスの薄板を中央に配置し、その周囲をCH4ガスや空気が別々に通る通路を備えている。この構造を持つ耐熱性ステンレス鋼(22〜23質量%クロム鋼)の薄板セパレーターを設計した。酸素透過性セラミックス薄板をセパレーター中央部にガラスシール材によって固定する設計を採用した。ガラスシール材で固定したセパレーターを90度ずつずらして積層し、必要なガスをそれぞれ供給し流す構造になっている。


ガラスシール材で封止したセパレーターを室温から1000℃弱まで急速加熱し、シール性能を調べた結果、シール性の劣化は特に観察されなかった。今後は、セパレーター10枚などの積層体を試作し、空気から酸素ガスを取り出す性能を検証するなど、改質システムの各性能を実証する計画である。(丸山 正明=産学連携事務局編集委員)


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