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「黄連」を含む漢方で口内炎を治す

2006年02月09日

 日ごろ、バランスのよい食生活を心がけていても、ビジネスパーソンであれば、会議が長引いたり、取引先との急な会食が入ったりと、どうしても食事内容が偏りがちである。そんな生活が長く続き、過労などが加わると、口内炎にかかりやすくなる。



 口内炎には、唇や頬の内側の粘膜、舌などの一部が赤くなるものや、表面が灰白色もしくは黄白色に覆われた丸い形の「潰瘍アフタ」と呼ばれるものがあり、食べ物が触ると口がしみたり、強く痛んだりする。



 主な原因としては、精神的ストレス、疲れ、胃腸障害、ビタミン不足、義歯や歯の充てん物といった物理的な刺激――などが挙げられる。時には、ウイルス感染や帯状疱疹、がんなど、重い病気によって起こることがあるので、治りにくい口内炎は要注意でもある。



 西洋医学では、副腎皮質ステロイドが入った口腔用の軟膏や貼付薬を用いたり、ビタミン剤の内服などを行う。こうした場合、一時的に治っても、再発することが多いようだ。



 口内炎は、漢方医学が治療を得意とする病気の一つである。「黄連湯(おうれんとう)」、「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」(関連記事:口臭が気になる人に「半夏瀉心湯」)、「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」、「三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)」――などがよく用いられる。いずれの薬にも、炎症を抑える作用を持つ黄連(おうれん)という生薬が含まれている。



 黄連湯は、胃が疲れて重い感じがして食欲がなく、吐き気がありお腹が痛み、舌に白い苔がついたような症状がみられる口内炎に用いられる。半夏瀉心湯は、黄連湯と似た症状の人に使われる。また、みぞおちがつかえたり、吐き気や嘔吐があり、食欲不振でお腹が鳴って軟便、下痢傾向の人の口内炎にも適している。



 黄連解毒湯は、比較的体力があり、のぼせ気味で顔色が赤く、イライラする傾向のある人に対して使われる。三黄瀉心湯は、黄ごん、黄連、大黄(だいおう)という三種類の“黄”の文字がつく生薬から構成されていることから、この名前がついている。黄連解毒湯と同じように、骨格ががっちりしていて筋肉質の実証の人を対象にしている。顔面紅潮や精神不安、便秘傾向がみられる人に適している。



 このほか、「小柴胡湯(しょうさいことう)」、「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)」なども口内炎に使われる。いずれも柴胡という生薬が含まれている。小柴胡湯は、みぞおちから脇腹にかけて肋骨に圧迫感があり、舌には白い苔状のものがみられ、口の中が粘るなどの症状があるときに用いる。柴胡桂枝湯は、小柴胡湯と桂枝湯を合わせたもので、小柴胡湯と似た使い方をする。



 何度も再発を繰り返し、西洋医学で使う薬ではなかなか良くならない口内炎に対し、漢方薬を試してみるのも良いかもしれない。



(天野 宏=医療ジャーナリスト)





イラストレーション/川崎のりこ(PLUM GRAFIX



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