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健康注意報:「大豆イソフラボン」の過剰摂取に警鐘 (06/02/16)

2006年02月09日

 最近、健康効果が期待されている「大豆イソフラボン」ですが、サプリメントなどによる過剰な摂取は控えた方が良さそうです。



 食品安全委員会が昨年12月にまとめた「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」では、1日当たりの大豆イソフラボンの摂取目安量の上限値を70〜75mgとし、そのうち、サプリメントや特定保健食品などで摂取する量は1日当たり30mgまでが望ましいとしています。



 摂取量に上限値が設定された背景には、サプリメントなどにより大豆イソフラボンのみを過剰に摂取すると、女性ホルモンのバランスが崩れる可能性があり、月経周期の遅れや子宮内膜増殖症などのリスクが高まることも報告されていることがあります。



閉経前女性ではホルモン値の変動や月経周期延長の報告も



表 各種大豆食品100g中の大豆イソフラボン含有量(換算値)

 大豆イソフラボンは、主に大豆の胚芽に多く含まれている色素(フラボノイド)の一種です(表)。大豆イソフラボンの化学構造は女性ホルモンの「エストロゲン」に似ているため、女性の骨粗しょう症や更年期障害にも効果があるのではないかと注目されていました(参考記事:“カルシウム”と“大豆イソフラボン”で骨も歯も健康に)。



 そもそも日本では、豆腐や納豆をはじめ、みそ・しょうゆといった調味料に至るまで伝統的な食事で大豆を使ってきましたが、これらの食品に含まれる大豆で健康被害が出るといった報告はこれまでありませんでした。食品安全委員会も、通常の食事で大豆イソフラボンを取る分には、特に問題はないとしています。



 ところが、最近になって大豆イソフラボンが注目され、大豆イソフラボンを強化した食材や、大豆イソフラボンを単体のサプリメントとして摂取する機会が増えてきたため、状況が変わってきたのです。



 例えば閉経前の女性の場合、過剰に大豆イソフラボンを摂取すると血中ホルモン値が変動したり、月経周期が延長することなどが知られています。



 また閉経前の日本人女性に、日常の食生活(大豆イソフラボン29.5mg/日)に加えて豆乳を1日当たり約400mL(同75.7mg)飲んでもらったところ、エストロゲンの一種「エストラジオール」の血清中の濃度が約33.3%低下し、月経周期が11.7%延長したという報告があります。



妊婦や乳幼児には特定保健用食品としての追加摂取は推奨せず



 大豆イソフラボンの過剰摂取が、ヒトの胎児や新生児に及ぼす影響は明確には分かっていませんが、動物を使った実験では、卵巣や精巣といった生殖器官に対して有害作用が報告されています。そのため食品安全委員会では、妊婦や乳幼児、小児などが、特定保健用食品として普段の食事に追加して大豆イソフラボンを摂取することを推奨していません。



 一方、閉経後女性を対象に、大豆イソフラボンの錠剤(150mg/日)を5年間服用してもらった長期試験では、摂取群とプラセボ群を比較したところ、30カ月では有意な差は見られませんでしたが、60カ月で摂取群に子宮内膜増殖症の発症が有意に高くなるという報告がありました。



 これを受けて食品安全委員会では、大豆イソフラボン錠剤150mg/日はヒトにおける健康被害発現量と考え、その半分の75mgを「臨床研究に基づく現時点におけるヒトの安全な上限摂取目安量」としました。



 また特定保健用食品として、通常の食事に加え、1日当たり27.1mg、または57.3mgの大豆イソフラボンを摂取してもらったところ、27.1mgでは血清中のエストラジオールが有意に上昇しましたが、摂取量が57.3mgになると逆に有意に低下することが分かりました。



 このことから食品安全委員会は、大豆イソフラボンの摂取量として、1日当たり57.3mgを日常の食生活における上乗せ摂取による最低影響量とみなし、およそその半量の30mgを特定保健用食品としての大豆イソフラボンの1日上乗せ摂取量と決めました。



(健康サイト編集部)



〔参考資料〕
食品安全委員会:大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方(第30回会合修正案)、2005年12月。



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