キーワード:長引く咳は大人の「百日咳」かも!?
もしあなたが、なかなか取れないしつこい咳(せき)に悩まされているなら、それはもしかすると「百日咳(ひゃくにちぜき)」かも知れません。
百日咳とは、百日咳菌の感染によって起こる急性の呼吸器感染症です。百日咳というと、子どもの病気というイメージがありますが、最近は大人でも、2週間以上続くしつこい咳の症状を示す人の2割近くで百日咳菌の関与が明らかになったという研究結果も報告されています。大人の患者には、20〜40代の人が比較的多いようです。
百日咳は、その病名が示すように、独特の発作性けいれん性の咳が長期にわたって持続するのが特徴です。通常、感染後7〜10日間の潜伏期間を経て、鼻水や咳などの普通の風邪症状で始まりますが、やがて咳の回数が増えて程度も激しくなります。
多くの場合熱はないのですが、短い連続的な咳き込みが途切れなく続くので、咳き込みによる嘔吐やチアノーゼ、顔面の浮腫、結膜充血などが見られます。また、咳発作は夜の方が起こりやすいので、不眠の原因になることもあります。
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百日咳には、予防接種(ワクチン)があります。これは、百日咳・破傷風・ジフテリアの3種が一緒になった三種混合ワクチン(DPT)として接種されます。しかし、ワクチンの効果は一生続くわけではなく、大人になるとだんだん低下していきます。このため、子どもの頃にワクチン接種を受けたのに、大人になってかかる人が出てくるわけです。
もっとも大人では、咳は長期間続くものの、典型的な発作性の咳は見られず、やがて回復します。しかし、咳だけなので、百日咳と分からないでそのままにしていると、ワクチン未接種の赤ちゃんや小さい子どもにうつす可能性があり注意が必要です。
百日咳に対する治療では、エリスロマイシン、クラリスロマイシンなどのマクロライド系抗菌薬が使われます。これらは特に早期のうちに使うと有効です。周囲の人への感染を防ぎ、咳を早く治すためにも、しつこい咳がなかなか取れないようなら、早めの受診が勧められます。
〔参考文献〕
Journal of Medical Microbiology 2003;52:265-269.
感染症発生動向調査週報2003年;第36週号。
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