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急なのどのかぜに「葛根湯」や「桔梗湯」

2006年01月30日

 寒い季節に暖かい晴天の日が続くと、決まって気象予報士が乾燥に注意するよう伝える。空気が乾燥していると、急性咽頭炎や急性扁桃炎にかかりやすくなるので、今の季節は特に要注意である。



 「急性咽頭炎」は、口からのどにかけて、広い範囲に炎症が起こり、周りのリンパ節が腫れてくる。かぜと同じような症状が多いことから、俗に“のどかぜ”とも言われている。ウイルスや細菌への感染によってものどに炎症は起こるが、空気の乾燥、鼻の病気、過労などが引き金になることも多いようだ。



 扁桃腺の炎症が特に強いものは「急性扁桃炎」と呼ばれる。のどが赤く腫れて痛かったり、呼吸しにくいなどの症状があり、睡眠不足や過労など、体の抵抗力が落ちたときに細菌が繁殖して起こる。このほか、空気の乾燥や慢性の鼻の病気などが原因で生じる。



 西洋医学では、急性咽頭炎には殺菌作用のある薬をのどに塗ったり、炎症を和らげる抗炎症薬や抗菌薬を投与したりする。呼吸が苦しいときには、噴霧療法(吸入療法)などを行う。急性扁桃炎の場合は、安静にして十分な休養を取り、抗菌薬や抗炎症薬を使う。



 漢方医学では、発熱、のどの痛み、頭痛、首筋のこりがある急性咽頭炎や急性扁桃炎の初期には、「葛根湯(かっこんとう)」(関連記事:かぜの引き始めには「葛根湯」)を用いる。



 のどが腫れて痛みが強いときには、甘草(かんぞう)と桔梗(ききょう)の2つの生薬から成る「桔梗湯(ききょうとう)」が適している。悪寒や熱のない扁桃炎、扁桃周囲炎にも用いてよいと言われ、古典には「腫膿が有り、あるいは粘痰を吐く者を治す」と書いてある。



 症状が出てからなかなか改善せず、胸が重苦しく舌が白っぽく口が粘るなどの症状が出てきたときは、「小柴胡湯(しょうさいことう)」を、便秘がちであれば、「大柴胡湯(だいさいことう)」を使う。



 咽頭炎の炎症が治りきらずに慢性化した慢性咽頭炎には、急性咽頭炎に使う薬のほかに、麦門冬(ばくもんどう)や地黄(じおう)が入った「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」や「滋陰降火湯(じいんこうかとう)」が用いられる。



 麦門冬湯は、咽頭炎や喉頭炎で声が枯れ、くしゃみ、せきなどを伴うときに用いる。滋陰降火湯は、のどに潤いがなく乾燥して、痰が出なくてせき込むときによいと言われている。熱を冷ますという意味で、「降火」という字が使われている。体力が低下し、皮膚の色が浅黒く乾燥しており、便秘がちな人を対象にする。皮膚の色が青白く汗をかき、せき、痰が多く、胃腸が弱く下痢しやすい人には使わない。



 のどが赤黒く、血がうっ滞しているお血があるときには、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」、「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」を使うこともある。



 ただし、漢方薬を使う前に、のどの乾燥対策にまずは気を配ろう。外出から帰ったらうがいを心がけ、部屋の中にも加湿器を置くなどして、湿度管理に気をつけたい。



(天野 宏=医療ジャーナリスト)





イラストレーション/川崎のりこ(PLUM GRAFIX



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