“ジェネリック医薬品”の普及が遅れた日本の事情
前回も触れましたが、日本ではジェネリック医薬品(特許が切れてしまった医薬品)はなかなか普及しませんでした(参考記事:特許切れで安い“ジェネリック医薬品”がブーム)。その理由は何なのか、今回は、米国と比較しながら考えてみようと思います。米国と比較することで、今後の日本の医療も少し占ってみようと思います。
ジェネリック医薬品がなかなか普及しなかった原因を箇条書きにすると、以下のようになります。
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ここで、カギになるのが「代替調剤」と言われています。代替調剤とは、簡単に言えば、医師の処方した薬剤を薬剤師が変更することを言います。もちろん、何でもかんでも薬剤師が行うわけには行きません。薬剤師は患者を直接診察しているわけではないのですから。
具体的には、医師が代替拒否を明示しない限り、先発品の替わりにジェネリック品を調剤できるということがあります。要するに有効な成分が同じものなので、変更してもいいのではないか、ということです。
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また米国では、患者が支払う金銭面に違いが出てきます。米国の医療保険の多くでは、患者の費用負担額に段階があり、先発品を使用した場合の負担額は、ジェネリック品のそれよりも高いのです。たとえば、同成分のジェネリック品が3品目以上ある場合は、強制的に最も廉価なジェネリック品の価格を基に、保険から患者さんへの支払い額が定められたりします。
このように使える薬剤を掲載したものを「フォーミュラリー」と言いますが、フォーミュラリーを持つ医療保険が増えているのです。保険者はフォーミュラリーにジェネリック品を掲載したり、また同成分のジェネリック品が出た場合には、先発品をフォーミュラリーから削除することでジェネリック品の使用を促進できるのです。現在、民間医療者の約90%がフォーミュラリーを使用しているといいます。
これは米国のみではありません。ヨーロッパでも多くの国にフォーミュラリーがあります。この中には収載されている薬剤が、保険でお金がもらえる、すなわち償還対象となっているポジティブ・リスト(フランス、スペイン、イタリア)と、リストされている薬剤は償還されないというネガティブ・リスト(ドイツ、スペイン、英国)があります。
実は、欧州すべての国で、処方に対して予算が課せられているのです。英国のように医師一人一人に予算がある国と、ドイツのように特定地域内の全医師に一括で予算を持たせている国があります。
さて、問題は品質です。米国では、1980年にFDA(米食品医薬品局)が発刊した「オレンジブック」(Approved Drug Products With Therapeutic Equivalence Evaluations)が、ジェネリック品の品質イメージを向上させる上で大きな役割を果たしました。これは、生物学的同等性(bioequivalency)のある薬剤を発表したものです。日本にも同様のものができていますので、このオレンジブックに載っているものは、品質についても安心とは言えそうです。

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