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「虫歯」を防ぐチョコの意外な効果 (06/02/02)

2006年01月30日

 2月14日のバレンタインデーを控え、コンビニエンスストアやデパートで、バレンタイン商戦が本格化してきた。バレンタインデーといえば、やはり「チョコレート」。最近は、お菓子としてだけでなく、カカオに含まれるさまざまな成分の健康効果にも注目が集まっている。



 例えば、チョコレートに含まれるポリフェノールやカフェインなどには“ダイエット効果”があるとされており(参考記事:コーヒーは脂肪を燃やして肥満を防ぐ!?)、ギャバ(GABA;γ-アミノ酪酸)には、不眠やイライラを改善する効果があると言われている(参考記事:精神的ストレスに注目のアミノ酸“ギャバ”)。



 一方で、チョコレートは食べ過ぎると虫歯になりやすいというイメージを持っている人も少なくないだろう。ところが最近の研究報告によると、チョコレートには逆に虫歯を予防する効果があることが分かったというから驚きだ。



カカオパウダー摂取で虫歯スコアが減少





 これは、明治製菓と日本大学松戸歯学部の福島和雄氏らの研究グループによる実験で明らかになったもの。まず、36匹のラットを4群に分け、3群は虫歯の原因菌の一つ、レンサ球菌に感染させた。



 レンサ球菌に感染させていない群には普通の食事を与えた。レンサ球菌に感染させた3群はさらに、(1)普通の食事群、(2)ホワイトチョコレートの主成分、カカオバターを24%加える群、(3)同量のカカオバターと0.5%量のカカオパウダーを加える群――に分けた。全群の食事には、ショ糖が35%含まれるようにした。



 56日後に、各群の虫歯スコアを調べた。その結果、レンサ球菌に感染させていない群は7.4、感染させた群では、(1)普通の食事群32.9、(2)カカオバター群17.2、(3)カカオバター+カカオパウダー群10.8だった。カカオバター群およびカカオバター+カカオパウダー群は、普通の食事群に比べ、虫歯スコアを約半分に低くする効果があったわけだ。



 ところで、カカオバターとカカオパウダーはどう違うのだろうか。炒ったカカオ豆をすりつぶし、どろっとしたペースト状にしたものがカカオマス。カカオマスは、白っぽい淡黄色で、口溶けのよい油脂分のカカオバターと、苦みのある褐色のカカオパウダーに分けられる。



 普通の褐色のチョコレートは、カカオマスにカカオバターと砂糖などを混ぜて作られる。カカオバターのみに、粉乳と砂糖などを加えるとホワイトチョコレートになる。



カカオにはピロリ菌や大腸菌などの抗菌作用



 では、カカオバターやカカオパウダーを加えると、なぜ虫歯スコアが低くなるのだろうか。以前から、カカオには、ピロリ菌や大腸菌などに対する抗菌作用があることが知られている(参考記事:ココアこそ“一石三鳥”の冬の健康飲料)。



 そこで、福島氏らは、培養細胞を用いた詳しい実験を行い、カカオパウダーが虫歯の原因菌のグルコシルトランスフェラーゼという酵素の働きを阻害することを見出した。グルコシルトランスフェラーゼは、歯の周りの糖分を、水に溶けないグルカンという形に変える作用がある。



 歯に付着しているグルカンに菌がたくさん住み着くと、歯垢(プラーク)となり、やがて虫歯や歯周病を起こすと考えられている。カカオパウダーには、抗菌作用にとどまらず、歯垢をできにくくする働きもあることが明らかになった。



 もちろん、チョコレートに虫歯を防ぐ働きがあると言っても、虫歯や歯周病予防のために、日ごろからの歯のケアが大切なのは言うまでもない。



(小又 理恵子=健康サイト編集)



〔参考文献〕
Ito K. et al:Biosci Biotechnol Biochem 2003;67:2567-2573.



イラストレーション/川崎のりこ(PLUM GRAFIX



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