特許切れで安い“ジェネリック医薬品”がブーム
最近、医療業界でジェネリック医薬品のブームが起きています。まず、ジェネリック医薬品に関する広告や報道の多さが目を引きます。
薬剤には特許があります。特許期間中は、当然ながらほかの製薬メーカーはその薬剤をつくることはできません。その特許が切れてしまった薬剤、これを「ゾロ」あるいは「後発品」、英語で言うと「ジェネリック医薬品」といいます。特許が切れているので、どの会社でも製造することができるし、安くなっているわけです。
ジェネリック医薬品の使用促進を後押しするため、ジェネリック業界団体の医薬工業協議会では診療報酬の見直しを要望し、一部が認められました。一方、いくつかの大学病院、国立病院でジェネリック医薬品を積極的に採用し始めました。
果たして今後はどうなるのでしょうか? フランスや日本などではジェネリック医薬品のシェアが低く、逆にドイツ、イギリス、米国などでは高いのです。ドイツではジェネリック医薬品メーカーが売上トップ10に何社かランクインしているくらいです(日本ではすべて先発品メーカーで占められています)。

厚生白書(今の厚生労働白書)に、「医療がサービスである」と1997年に記載されてから8年。医療がサービス業であるという視点はようやく、医療関係者や消費者の皆さんや患者さん方に認知されるようになってきました。

2003年4月から患者自己負担が若年者や高齢者を除き、一律3割になりました。また、高齢者にも負担を求める方向で、平成18年度からは70歳以上の高齢者のうち、現役並みの所得の人については、現役と同様に3割負担とすることになりました。
さらに、おりからのデフレ時代に、なかなか値が下がらない医薬品や医療に対して、消費者や患者さんが厳しい目を向けていることは大きいといえます。そして、サービス業でありマーケティングを考えねばならない医療機関側も、それに答えざるを得ないようになりました。
ただ、今後のジェネリック医薬品の爆発的な普及には、いくつかの課題もあります。ひとつは、値段です。欧米のようにもっと先発品との価格差が出ないものでしょうか。フランスでジェネリック医薬品の普及がいまひとつなのは、フランスでの先発品の価格が安いことにも起因しています。図にジェネリック医薬品の使用状況を示しました。日本でも、特許切れ先発品の薬価を下げる方向です。
もうひとつは、品質の良い製品を安定的に供給できるメーカーがまだまだ少ないことです。優れたメーカーでは先発品と同じか、それ以上の品質を維持しているものもあると聞きます。その意味では、消費者への認知を増加する、ジェネリック医薬品のブランド戦略が今後さらに重要になるでしょう。
いずれにしても、過去に、ジェネリック医薬品がこれほど脚光をあびる事は無かったでしょう。国民の一人として、ジェネリック医薬品の今後の展開に注目したいと思います。次回には、このジェネリック医薬品の普及が進んでいる米国の話をしましょう。

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