ゴボウの皮はむかないのが“新常識” (06/01/19)
11月から2月頃にかけてが最も旬の食材として知られる「ゴボウ」。鍋物の具材のほか、きんぴらや揚げ物、煮物など、冬の食卓を彩る貴重な野菜だ。
このゴボウが食材として優れている点は、食物繊維を多く含有していることだ(可食部100g中約6g)。

不溶性食物繊維の「リグニン」には抗菌作用があり、腸内で発がん物質を吸着する強い力があるので、抗がん作用が認められている(表参照)。さらに、「腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして便秘を改善する作用があり、肥満予防や美肌効果も期待できる」と、二葉栄養専門学校教授の小川万紀子氏はいう。
また、水溶性食物繊維の「イヌリン」も多く含んでいるので、「余分な糖分やコレステロ−ルが吸収されるのを抑えて体外に排出し、糖尿病や高脂血症、しいては動脈硬化を防ぐ作用がある」(小川氏)と、世の中年男性や女性の健康・美容面では大変嬉しい食材なのだ。
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このように、食材として豊富な栄養成分を持つゴボウだが、実はその成分をみすみす逃してしまうような調理法が一般に浸透してしまっている。それは、「ちょっと泥臭い」「食感が固い」などの理由から、下ごしらえとして皮をむき、水や酢水で「しっかりと」アク抜きをすることがほぼ常識化している点だ。
一般的に、野菜の食物繊維は皮、および皮の近くに多く含まれているといわれる。そもそも食物繊維を多く含有するゴボウは、カルシウム、カリウム、アミノ酸なども多く含んでおり、血圧を正常に保ったり、骨や歯を強くする効果もあるといわれている。
豊富な栄養成分を持つゴボウを調理する際、下ごしらえで皮をむいたり、水や酢水に長時間浸すことによってアク抜きすると、含まれているそれらの栄養成分が溶け出してしまう。
それだけではない。「ゴボウの香り、うま味も皮のすぐ下の部分に多くある」と小川氏は指摘している。味覚の面でも、皮の部分を残すことには留意した方が良いというわけだ。独特の風味・うま味と、本来の栄養成分をしっかりと残すためには、皮はむかずにタワシで泥を落とすか、包丁の背で薄くこそぎ落とす下ごしらえ程度におさえておきたい。
ただし、ゴボウを切ると切り口が黒く変色するのは、ポリフェノールと酵素が結合してタンニン鉄になるため。料理の味が悪くなるので、味にこだわるならば、ごく短時間のアク抜きは必要といえる。
お客様をもてなす料理ならば見た目の美しさも必要だが、家庭の食事としてゴボウの良さを存分に「味わう」なら、本来の栄養成分や風味を損なう料理法は避けたいもの。ちなみに、「リグニン」は空気に触れることで成分が増える。このため、細く薄く削る「ささがき」は有効成分を引き出す、理にかなった切り方なのだそうだ。

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