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寒い季節は部屋の温度差が命取りに!?“ヒートショック”を防ぐ入浴法

2005年12月29日


■急上昇した血圧は急下降する



寒い冬の夜、熱い浴槽に浸って冷え切った身体を温める人は多い。日本ならでは生 活習慣ともこの入浴法が、実は身体に与える負担が大きく、特に中高年にとっては 「危険」とさえいえる。



風呂場は通常、家の中で北側に位置することが多いため、暖房のない脱衣所と暖房 している室内との差が10度以上ある場合も少なくない。古くから建っている木造軸組 住宅では、洗面所や脱衣所、浴室に床暖房を入れたり、あるいは暖房器具を入れるこ とはあまりないだろう。



そのような非常に寒い場所で衣服を脱ぎ、「ゾクゾクッ」と身震いした経験は誰し もあるだろうが、これは急激に体温が下がる状態を正すため、毛穴が収縮して起こる ものだ。実はその際、身体の状況は血管が収縮し、血圧は急激に上昇していることに なる。



その寒い状態から、42〜43度といった熱めのお湯にすぐに入ると、1分間ほど身体は 強烈な温熱刺激を受けることになり、血圧はさらに上昇する。そのまま湯船に浸り続 けると、今度は血管が温まり、血流が体内を十分に周る状態となる。そのような状態 で、さらに1〜2分経過したあたりから、血圧は秒単位で急激な低下を始めるのだ。



一般に、血圧の高低差が50以上になると、意識を消失する可能性が生じるといわれ ている。湯船の中で失神すれば、水没から死につながるリスクも出てくることになる。



「寒さによって『血圧が上がる』こと自体は、ごくまれにしか害を及ぼしません。 問題は、血圧が上がれば上がるほど、下がる時も急下降し、その幅が大きくなること です。これは、動脈硬化などで血管のしなやかさが失われている人ほどひどくなり、 危険が増すといえます」──このように危険性を指摘するのは、東京都老人総合研究 所『福祉と生活ケア』研究チームリーダーの高橋龍太郎氏だ。




■血圧以外の危険もある



その他の入浴時の危険として挙げられるのが、心臓にかかる負担だ。



血圧の急激な上昇と下降の場合と同様、急激な寒さと熱いお風呂によて、かかった ストレスが解除されるという過程の中で起こるのが、不整脈の一種である「心室性不 整脈」や「心停止状態」だ。高齢になればなるほど、危険な不整脈というのは気付か ないうちに日常的に起こるようになる。そのため、入浴中の寒暖差が命取りとなる心 室性不整脈を引き起こす可能性は、かなり高くなるといえる。



また中高年以上では、入浴中の発汗による「脱水症状」にも注意が必要となる。年 齢が若ければ、多少の脱水状態はそれほど身体に影響がない。しかし、高齢になれば なるほど、脱水症状によって血液量が少なくなると、重要な臓器への血流が急速に悪 くなる。



「脱水症状による濃い血液は、流れも悪くなっています。例えば、脳に行く血液量 が今まで100あったとすると、脱水症状の状態では90、80、70と減っていきます。する と脳の意識をコントロールする機能も落ちやすくなり、失神しやすくなるといえるの です」(高橋氏)。これは、血圧とは別な方面からの意識障害が起こるメカニズムだ という。また、濃い血液は血栓を起こしやすく、「脳梗塞」や「心筋梗塞」などの危 険も当然出てくる。



入浴中の事故を男女別に見た場合、件数そのものは男性の方が多い。しかし、死亡 に至るのは女性の方が多く、しかも高齢になるほどその割合が高くなるという。



「おそらく、男性よりも女性の方が脂肪が多いことと関係しています。皮下脂肪な どの脂肪量が多いと、体温調節がうまくいかないため、厳冬期の風呂場のように体温 が急激に変化しやすい条件下では危険なのでしょう」(高橋氏)。




■詳しくは、こちら「nikkeibp.jp SAFETY JAPAN 2005」サイトでご覧になれます。





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