本のカルテ:新鮮なトウモロコシは生の方がおいしい

「ローフード」をご存じだろうか? 英語で書くと「raw food」=「生の食べ物」だ。食材(基本的に植物性のもの)を極力加熱せずに調理し、栄養や機能性を最大限に生かす食事スタイル。今、米国では専門レストランが並ぶほど人気だという。
この本は、米国でローフードの考え方や調理技術を学んだ人物が執筆。これまで日本にはあまり紹介されていなかった米国流のノウハウがたっぷりと詰まっている。
「ノウハウといっても、加熱しないならサラダみたいなものじゃないの?」と思うかも知れないが、実際はかなり意外な方法で、通常は加熱せずには食べにくい食材を“調理”していく。その独特のアプローチが面白い。
例えば、豆類や穀類。これらに含まれる炭水化物(でんぷん)は、一般に「加熱しないと消化しにくい」といわれるが、ローフードではなんと、これらを「発芽」させる。
「発芽によって、種子の持つ酵素がそれ自体の持つ栄養を自ら『消化・分解』します……スプラウト(発芽食品)は、『既に消化の過程を経ている食物』なのです」(関連記事:活性酸素を抑える「ブロッコリースプラウト」)。
生き物の営みそのものを調理技術として利用し、生きたままを食べるのだから、限りなく“ナチュラル”な料理法といえるだろう。
ただ、実際の料理は「日本人の味覚にはちょっと……」と思ってしまうものもある。カウンターカルチャー的な世界観がかいま見える部分もあり、「レシピ集」というよりは、「米国カルチャー見聞記」と思って読む方が正解かも。
でも、「新鮮な生トウモロコシの丸かじり」は、ぜひ試したい。ローフードの魅力をいちばんストレートに実感できるのは、きっとこれだ。
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