通勤中の車内でも発想の練習はできる
発想法というのは、連想ゲームのように関連のある物を次々に考えていく方法もあれば、単なる思いつきで新しいことを考え出すこともあります。
「思いつく」というのは、いい加減な思考のように思われますが、過去の記憶が様々にリンクして一つの考えになった結果です。それだけに、思いつくまでが非常に難しい作業です。いいアイデアを思いつくには、常に発想する練習が必要になります。
まず目の前にあることから、発想する練習をしてみましょう。例えば冬になると、黒っぽい服が増えます。そこから何を発想していくでしょうか?「寒くなれば、コートなどの冬物が売れるだろう」ではまったく当たり前のことで、新しい着目ではありません。
黒をもっと考えてみましょう。光を吸収して黒は暖かくなるということで使うのでしょうが、この黒い色はいったいだれが作っているのだろうか、と考えてみるのです。黒の染色をしている会社はもうかるのでないか、あるいは染色に使う黒は何からできているのか――など、「黒い」という共通語で、発想を膨らますのです。

このように黒を取り上げたきっかけは、何気なく歩いていく人たちの後ろ姿から発想したものです。つまり日常のなにげないシーンからでも、いろいろな可能性を発見できるはずです。目の前にビジネスチャンスがありながら、なにも気が付かない、それが日常というものなのです。
ありふれた日常の中から、新しい何かを感じたり、発見することは、非常に大変なことです。鋭い観察力も必要ですし、面白いと感じる心もなければいけません。黒という色で目の前のことをくくってみましたが、そういった「共通性」を発見するのは、発想法のまず第一歩でしょう。
通勤中でもそれならできるはずです。電車の中でみな立っている――、それに共通することは何か?そんな発想練習をしてみるのです。
自分の記憶を「ワーキングメモリー」という、前頭葉にある一時記憶の場所に取り出すとき、キーワードが必要になります。リンゴなら、赤、丸い、食べ物というような言葉に共通するものとして、リンゴという言葉が取り出されるのです。
その使い方を目の前のことにも応用してみましょう。共通の2、3の言葉で、目の前のことをくくってみましょう。それによって日常の中から新しい発想が生まれてくるはずです。そんな訓練を歩きながら、あるいは電車の中で繰り返していくことで、ユニークなアイデアが出てきます。
チャンスは目の前にあるのです。

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