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セックスレスの原因は妻への“愛情の変化”!? (05/12/08)

2005年12月02日

 夫、妻ともに30代で、結婚5年目。二人ともこれといった病気もなく健康体だが、最近3年以上まったく性交渉がなく、妻から働きかけても夫は応じてくれない。かといって夫婦仲が特に悪いわけではなく、一緒に外出したり旅行もする。そろそろ子どもが欲しいのにどうしたらいいのか、妻の悩みは切実だ…。



 最近、「セックスレス・カップル」が増えているといわれるが、中でも典型的なパターンとしては、このようなケースが挙げられるだろう。





 日本におけるセックスセラピーの第一人者である阿部輝夫氏(あべメンタルクリニック院長)によれば、1985年に統計を取り始めて以来、21年間に受診した患者をみると、セックスレスの原因をつくっている側は女性499人に比べて男性897人と、男性が倍近くに上る。



 中でも最も多いのが30代男性で、「子どもをつくりたいのに…」と夫への不満から妻が相談に来るケースが多いという。



 一口にセックスレスといっても、その原因はいろいろあるが、阿部氏が診察した患者で最も多かったのは「性嫌悪症」で、次いで「勃起障害」、「性欲低下障害」、「性交疼痛症」など。特に性嫌悪症は、以前は女性に多くみられたが、「最近は男性例が急増している」と同氏は指摘する。



“男女愛”から“家族愛”に変わってしまった!?



 性嫌悪症とは、性的な状況になることを極端に嫌って回避する状態。妻に触れられただけではね除けてしまうなど、性的な雰囲気になってしまうことさえ恐れる、一種の恐怖症と考えられる。阿部氏が診察した男性患者は全員が、「あるときから」「妻とに限って」、性交および性的接触ができなくなっていたという。



 しかし、なぜある時までできていた妻との性的接触が困難になってしまったのか? その原因として多いのは、妻に対する思いが、交際当時の男女愛から家族愛、肉親愛に似た感情に変わってしまい、性の対象として見られなくなってしまうケースだという。つまり、母や妹に対する近親姦恐怖に似た不安がよぎって、性行動を拒否してしまうというわけだ。



 「性嫌悪症は、性欲低下障害の悪化例とも考えられる」と阿部氏は言う。性欲低下障害の人では、妻に対して性欲を感じなくなっていても、「排卵日だから」などと頼まれれば、努力すれば何とか性交はできる。しかし、性欲低下障害も、やがて性嫌悪症に悪化していく可能性は高いという。



 愛情の質の変化が原因と考えられるため、性嫌悪症の治療はきわめて難しいのが問題だ。性生活を除けば夫婦仲はよいので、最初は治療に協力的でも、やがてドロップアウトしていく人は少なくないそうだ。治癒率は約2割程度で、離婚に至るケースも多い。



日本人の性交回数は世界最下位



 性嫌悪症の男性がなぜ増えているのか、その理由は分からない。しかし、第一線での診療現場からみる限り、「日本人における性的なエネルギーは全体的に減少している気がする」と阿部氏は打ち明ける。



 実際、英国のコンドームメーカーが毎年実施している、性に関する国際調査の最新版「2005年 グローバル・セックス・サーベイ」によると、日本人の年間性交回数は45回で、調査対象の41カ国中最下位だった(MedWaveの関連記事参照)。また性交回数だけでなく、性生活に満足している人の割合も、日本は最下位から2番目と低かった。



 日本では少子化対策という面からも、セックスレスの問題は、社会的にも真剣に取り組む必要がある課題といえるだろう。



 なお、セックスレスに悩んでいる人は、「専門家に相談し、自分たちがどういう状況にあるのか、まず客観的に知っておいた方がいい」と阿部氏はアドバイスしている。性に関する相談を受けている施設は全国でも少ないが、日本性科学会の会員で、セックス・カウンセラーやセックス・セラピストの資格を持っている人は各地にいるという。とりあえず、日本性科学会の事務局(電話03-3475-1780)に尋ねてみてはいかがだろうか。



(瀬川 博子=健康サイト編集)



〔参考サイト〕
デュレックスのWebサイト: http://www.durex.com/jp/



〔関連記事〕

働く男女の5人に1人が「セックスレス」




イラストレーション/川崎のりこ(PLUM GRAFIX



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