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引き始めの風邪に効くショウガ湯

2005年11月24日

 「ショウガ」といえば、豚肉のショウガ焼きや焼き魚に添えられた葉ショウガ、すしの脇に盛られたガリ――などを思い浮かべる人が多いのではないだろうか。料理の脇役という印象が強いが、独特の清涼感ある香りと辛みが食欲をそそり、口直しにもうってつけの存在だ。



 しかもショウガの効果は、食欲増進だけではない。ショウガに含まれる辛み成分には、代謝を活発にして血行をよくし、発汗を促す作用がある。軽い風邪を引いているときには解熱効果も期待できる。さらに、体内に蓄積した有害な活性酸素を除去したり、せきを抑えるといった効果まであるというから驚きだ。



 つまり、脇役にしておくのがもったいないほど、ショウガはたくさんの健康効果を秘めているのだ。



辛み成分が血行を促進



 ショウガはもともと熱帯アジア原産で、中国では古くから漢方薬として使われてきた。「葛根湯(かっこんとう)」など、風邪に有効とされる漢方薬には、必ずショウガが入っていると言ってもよいくらいだ。





 このように、ショウガが持つさまざまな効能は以前より人々に広く知られていたが、ショウガのどのような成分にどんな働きがあるかについては、最近になって、科学的な仕組みが明らかになってきた。



 まず取り上げたい成分の名前は「ジンゲロール」。ショウガに含まれる辛みの主成分だ。加熱すると、「ショウガオール」という物質に変化する。ジンゲロールは、味覚を刺激して自律神経系の交感神経を活性化させ、脂肪を盛んに燃焼させる。こうして、体を温めたり、血行をよくしたり、熱を下げるといった、引き始めの風邪への効果を発揮する。



 ジンゲロールには、胃腸の運動を過剰にし、吐き気などを起こす「セロトニン」という物質の作用を抑える働きもある。二日酔いや乗り物酔いにも効くわけだ。一方、ショウガオールは中枢神経系の興奮を鎮め、せきや痛みを抑えるといった働きがある。



 さらに、ジンゲロールにもショウガオールにも、“抗酸化作用”があることが報告されている。これは、有害な活性酸素と結びついて、活性酸素が体内の細胞などを傷つけるのを防ぐ作用のこと。肉や魚料理にショウガを使えば、食品自体の酸化を抑えることができるだけではなく、体内の老化防止効果まで期待できる。



 では、ショウガを毎日どのくらい取ればよいのだろうか。脂肪を燃やすなどの効果が期待できるショウガの摂取量の目安は、1日8〜10グラム程度。これは、スライスしたショウガなら6枚くらい、すり下ろしたり細かく刻んだものなら小さじ1杯くらいの量だ。



 刺激が強いトウガラシなどと異なり、和洋中、どんな料理とも割と合わせやすいショウガだが、辛みが気になる人にお勧めの方法は「ショウガ湯」や「ショウガ紅茶」。作り方は、すり下ろしたショウガに熱湯や紅茶を注ぐだけ。黒砂糖やハチミツなどで味を調えると飲みやすくなる。なお、クズ粉の入った市販のショウガ湯も口当たりがよいので飲みやすい。



(小又 理恵子=健康サイト編集)



〔参考文献〕
日経ドラッグインフォメーション 2001 (12);50:57.
日経ヘルス 2004 (1);70:90-94.



イラストレーション/川崎のりこ(PLUM GRAFIX



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