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大前研一:テレビ局を今さら買収する楽天のセンスの悪さは致命的

2005年11月21日

2005年10月19日(水)・20日(木)、「日経コミュニケーション」20周年記念フォーラムが東京・紀尾井町のホテルニューオータニ「鶴の間」で開催された。テーマは、「企業を変えるネットワーク革新」。 今回は、前回に引き続き、20日(木)に行われた大前研一氏(経営コンサルタント)の基調講演「企業を変えるネットワーク革新 〜21世紀をリードするための条件〜」の後編を紹介しよう。


ネット産業が既存のテレビ、ラジオ、パッケージメディアを飲み込もうとしている現在、単なるコンテンツ狙いでテレビ局を買収しようとしている日本のネット旧世代のリーダー達に大前氏は落胆と絶望を隠さない。子供の頃からデジタル機器になじんできた若い世代のほうが、来るべきネット時代の見取り図を理解できるはず。、「Don't Trust Over 40」を合言葉に、自らの構想と仲間とのコラボレーションでフロンティアを切り開いてほしいと大前氏は檄を飛ばす。


■地上波テレビ局など、いまさら買うに値しない!


テレビ局を狙っているのは三木谷氏だけではなかった。ホリエモンや村上ファンドもフジテレビの買収を画策していたのはご承知の通りである。


このように、世間では「デジタルの先兵」といわれる人たちに対して、大前氏は「テレビ局の買収を画策しているという時点で、ネットワーク社会の次の姿を描ききれていない証拠」と手厳しい。


そして、IT社会の進む方向を示している例として、アップルの「iTunes」を引き合いに出して説明を始めた。


■iTunesは既にラジオとテレビを飲み込み始めた


「iTunesというと、誰もがiPodの成功ばかりに注目していますが、事の本質はそこではありません。パソコンでiTunesミュージックストアに接続して、『ラジオ』というところをクリックしてみてください。世界のあちこちのラジオ局の放送を、自由に選んで聴けるはずです。


昔は有線放送で金を払って聴いていましたが、今後は、世界中のラジオが、iTunesミュージックストアを通じて無料で聴けることになるでしょう。スウェーデンのエリクソン社では、すでに2万4000局のラジオ局をブックマークして、一発で選曲できるブルートゥースを使ったパソコンを発表しています。


最近になって、iTunesミュージックストアに『ビデオ』の項目が加わりました。これは、やがてテレビや映画などがインターネットに取り込まれることを意味しています」(大前氏)。


■「TiVo(ティーボ)」の登場で、


テレビ局の広告媒体価値はゼロになる


さらに大前氏は、アメリカで全視聴者の20%が利用しているという「TiVo」を紹介した。


これは、特別に契約したハードディスクレコーダーを家庭に設置することで、好きな番組をダウンロードして視聴するシステムだ。


このシステムには、2つの大きな特徴がある。


1つは、タイムシフト機能を内蔵しているので、「見たいものを見たいときに見られる」という点。そもそも、アメリカでは国内でも3時間の時差があるために、リアルタイムで見るよりも、個人のペースに合わせたテレビの楽しみ方が歓迎されるわけだ。


そして、もう1つの特徴は、CMが自動的にカットされて再生されるという点だ。


「学者の予測によれば、日本でも今後はTiVo的なものが普及するとされています。すると、どうなるか。テレビ局の価値はゼロに向かって落ちていくことになるでしょう。


視聴者がCMをカットしているとわかれば、スポンサーはテレビ局に高い広告費など払うわけがありません。いまの形のテレビ局が没落していくことは間違いないでしょう。


そんな時代を前にして、テレビ局を高い金で買収しようという人は、事態を理解していないか、どこか時代認識がおかしいのではないかと思うわけです。


ポータルサイトでテレビを見せたければ、すべてのテレビ局の番組を視聴者が自由に選べるようにするべきです。楽天のポータルはTBSのみ、ライブドアはフジテレビのみというのでは、何の意味もありません。彼らには、時代が見えていないとしか思えません」(大前氏)。


詳しくは、こちら「nikkeibp.jp SAFETY JAPAN 2005」サイトでご覧になれます。

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