コロンブスの冒険心も遺伝子のおかげ?

テレビや新聞でときどき見る「ゲノム」という言葉。親から子へ代々受け継がれる遺伝情報一式を指す言葉だが、その実体は直径約2nm(ナノメートル:髪の毛の約5万分の1)の極細の糸=DNAだ。1人分を全部つなぐと2mに達する。DNAは、いってみれば磁気テープのような記録媒体で、この上に推定2万2000個の遺伝子が書き込まれている。その全体のことを「ゲノム」と呼ぶ。
近年、ゲノムの研究が飛躍的に進み、同じ遺伝子でも人によって働く強さなどが少しずつ違うことがわかってきた。同じ遺伝子にもいくつかのタイプがあるのだ。
この本は「遺伝子タイプが異なると何が違うのか」を、具体例を挙げながら解説。一読して感じるのは、タイトルそのままの「こんなことまでゲノムで決まるのか!」だ。
姿が親に似るのだから、鼻や背の高さが遺伝子で決まるのは納得しやすい。だが「物忘れする遺伝子」となると、かなり意表をつかれる感じだ。「冒険に誘う遺伝子」や「禁煙に失敗する遺伝子」、果ては「浮気する遺伝子」といわれると「この人生を生きているのは自分? 遺伝子?」などと悩みそうだ。
実は、薬や健康法の効果も遺伝子のタイプで違うという。例えば「高血圧だから塩分を控えて」とよくいわれるが、それで血圧が下がるかどうかは、ある遺伝子のタイプ次第。タイプによっては、塩分を控えても効かないのだ。
そう遠くない将来、遺伝子タイプの検査は今よりずっと手軽になるだろう。現在の血液型のような、ごく身近なものになるかもしれない。そのころには、健康情報のスタイルも利用法も、今とはまったく違ってくるのだろう。
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