どんな特徴の男性が性感染症にかかりやすい?
過去1年間の性的パートナーの人数が多い、不特定の性的パートナーあるいは金銭を介した性的パートナーとのセックス経験がある――。
一般男性と比べて、都市部の性感染症(STD)専門クリニックを受診する男性患者の特徴には、上のような傾向がうかがえるという。これは、京都大学大学院医学研究科の本間隆之氏らの研究で明らかになったものだ(2004年の日本エイズ学会で発表)。
性行為が感染経路とみられるHIV・エイズの報告例は、年々増加している。たとえばHIV感染では、毎年の新規報告件数のうち性的接触が原因と考えられる件数は、2000年に一度減少したものの、2001年に527件と初めて500件代に突入、2003年には534件となった(「性器クラミジア・淋菌感染症が増加中!」参照)。特に、同性間性的接触が増加を続けており、2003年の新規件数は356件に上った。
性的接触での感染が目立っているということは、同様に性的接触で感染が広がるクラミジアや梅毒などの性感染症にかかって医療機関を受診した集団は、HIV感染のリスクも高い集団の一つと捉えられることになる。そこで、本間氏らは「性感染症にかかりやすい集団の特徴を把握し、重点的な対策を実施することは、HIV感染の予防につながる」と考え、今回の研究に取り組んだ。
対象としたデータは、厚生労働省HIV感染症の疫学研究班が1999年にまとめた「STDクリニック受診者性行動調査」(STD受診男性グループ)と「日本人のHIV/STD関連知識、性行動、性意識についての全国調査」(一般男性グループ)の2つ。全国調査から、STD受診者調査が行われた地域のサンプルを抽出して比較した。
なお、分析対象は、STDクリニック受診者性行動調査が男性に限ったものだったことから、両グループとも、「過去6カ月間にセックス経験のある男性」とした。対象は、STD受診男性グループ791人(平均年齢32.0±9.5歳)、一般男性グループ176人(平均年齢39.7±12.1歳)。
STDクリニック受診男性と一般男性で比較した項目は、年齢、学歴、職の有無、初交年齢、過去1年間の相手の数、不特定の相手とのセックスの経験、金銭を介した相手とのセックスの経験、HIV・エイズに関する知識、最後のセックスの時のコンドームの使用状況――など。地域は、札幌、仙台、東京、川崎、大阪、広島、福岡の7都市だった。

研究グループは、両者の比較から、年齢、過去1年間の相手の数、不特定の相手とのセックス経験などに、STDクリニックを受診した男性患者群の特徴を見い出した(表)。なお、STDに関する知識が高いというのも特徴の一つだったが、おそらくは、気になる自覚症状があって、受診前に色々な情報を得ていたためと推測できる。
STDクリニックを受診した男性患者の特徴として、リスクの高い無防備な性行動の存在が明らかになった。STDの一つでもあるHIV感染の流行を阻止するためにも、こうした「リスクの高い無防備な性行動」への対策が急務である。
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