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つらい坐骨神経痛に「疎経活血湯」

2005年10月20日

 腰から殿部の後ろ、足のふくらはぎに痛みが走る「坐骨神経痛」に悩むビジネスパーソンも少なくないようだ。安静にしていても痛みが続くことが多い上に、せきやくしゃみをすると痛みが全身に響き、腰を曲げたりすれば痛みが強くなる。



 坐骨神経痛の原因には、脊椎腫瘍、腰部変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、帯状疱疹、糖尿病、アルコール中毒――など、さまざまなものがある。



 しかし、そのほとんどは椎間板ヘルニアによるもののようだ。椎間板ヘルニアは、急激に腰をひねったり、無理な姿勢で重い物を持ち上げたりして、椎間板に強い力が加わると起こることが多い。



 西洋医学では、初期であれば安静にして消炎鎮痛薬で痛みを抑えたり、けん引などの処置を行うが、症状が長引けば、手術の対象となることもある。



 漢方医学では、こうした痛みは血と水がうっ滞するお血、水毒によって起こると考え、お血を取り除く生薬や、利水作用がある生薬から構成された漢方薬を、体格に合わせて用いていく。



 体格がしっかりしていて胃腸が丈夫な人には、「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」や「八味地黄丸(はちみじおうがん)」(関連記事:頻繁に尿意をもよおす人に「八味地黄丸」)などが用いられる。



 疎経活血湯は、中国の古い医書に「左足の痛みが強く、夜間に症状が悪化し、酒の飲み過ぎ、疲労によって起こるものに良い」と書いてある。このため、一般に日ごろ、アルコール類をよく飲む人の腰から下肢の痛みに用いられ、特に冷えが加わったときの下肢痛に効くといわれている。



 八味地黄丸は、疲れによって痛みが生じ、悪化していく人に用いる。痛みが消えてもしびれ感が残るような場合にもよいとされている。



 体格が虚弱で胃腸が弱い人には、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」(関連記事:冷房時の冷え症に「当帰芍薬散」)や「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)などを使用する。



 当帰芍薬散は、体力がない虚証タイプの人で、お血と水毒による症状がみられる、冷え症の人の坐骨神経痛に用いる。当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、冷えが強く、下腹部や腰から下肢にかけて痛みがある場合に用いる。この漢方薬に含まれる「呉茱萸」には、血行を良くして足を温める作用があることが分かっている。



 このほか、急性の下肢のけいれん性の痛みには、「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」、打撲が原因の坐骨神経痛には、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」、貧血気味で上半身は熱いのに、腰から下半身に冷えがある人には、「五積散(ごしゃくさん)」を使う。



(天野 宏=医療ジャーナリスト)





イラストレーション/川崎のりこ(PLUM GRAFIX



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