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こむら返りはなぜ起きる? (05/10/27)

2005年10月20日


 ふくらはぎや足の裏の筋肉が突然けいれんを起こし、強い痛みを伴う「こむら返り」。夜寝ているとき、ふと足を伸ばしかけた途端に激痛が走って、あまりの痛さにベッドの上でかたまってしまった経験のある人も少なくないだろう。



 こむら返りは、このように就寝中に足を伸ばしたときや、普段運動不足の人が十分に準備運動をしないままスポーツをしたとき、冷たいプールで水泳をしたとき――などに起こりやすい。また、糖尿病や肝疾患のある人、高齢者や妊婦などにも起きやすいことが知られている。



 実は、こむら返りでは、ある筋肉だけが強く収縮し続ける“異常収縮”の状態になっている。こむら返りの「こむら」とは「ふくらはぎ」のことをいうが、太ももや腹部、足の裏など、ほかの筋肉にもこむら返りは起こり得る。では、なぜこのような筋肉の異常収縮が、健康な人にも突然起きるのだろうか?



水分不足や筋肉の過労、電解質のアンバランスが原因



 有楽橋クリニック(東京都中央区)院長の林泰氏によれば、通常、人の体の細胞内にはカリウムイオンが、また血液中にはナトリウムイオンが多く含まれているが、筋肉が収縮するときには脱分極が起きて、カリウムイオンとナトリウムイオンはそれぞれ細胞外、細胞内へと移動する。しかし、血液中の水分が不足していたり、電解質のアンバランスがあったりすると、この移動がうまくいかず、筋肉の収縮が正常にできなくなるのだという。



 実際、スポーツなどで多量の汗をかいたとき、妊娠中でカルシウムやマグネシウム不足が続いているとき、下痢による脱水が起きているときなどは、電解質のバランスが崩れ、神経や筋肉は興奮しやすくなる。また、下腿静脈のうっ血やふくらはぎの腓腹(ひふく)筋の過労が原因で、こむら返りが起こることもある。糖尿病や腎不全、肝硬変のある人では、やはり代謝の異常が原因であると考えられている。



 特に、汗と一緒にカリウムなどのミネラル分も失いやすい夏場は要注意だ。夏に低カリウム血症の状態に陥ったまま、秋になって「夏ばてしてしまった」「疲れやすい」「元気がでない」「こむら返りがよく起きる」などの症状を訴える人も少なくない、と林氏は指摘する。



運動時には準備運動や水分補給も忘れずに



 こむら返りの予防には、カリウムやカルシウム、マグネシウムなどの電解質を補給するために、野菜や果物、海藻類、牛乳、小魚などをバランスよく食べることが大切だ。林氏によれば、カリウムなどのミネラルが豊富に含まれている牡蛎もいいという。なお、野菜は煮るとミネラル分が流出してしまうので、煮汁も料理に使う、みそ汁を具だくさんにする――などもいいだろう。



 また、ビタミンB1も筋肉代謝には重要な成分といえる。「最近は、ファーストフードばかり食べてビタミンB1不足になっている人も増えている。スローフードを心がけ、卵や豚肉、ぬか漬けなど、ビタミンB1を多く含む食品を食べるようにしたい」と林氏はアドバイスしている。



 ほかにこむら返りの予防対策としては、運動をする際には、準備運動を欠かさないこと、スポーツドリンクなどを飲んで水分や電解質を補給することも必要だ。寝る前には、軽いマッサージやストレッチをするのもお勧めといえる。



 なお、それでもこむら返りが起きてしまったときは、片方の手で痛いところをやさしくさすって、もう片方の手で、足のつま先をゆっくり顔の方へ曲げるようにして、ふくらはぎの筋肉をよく伸ばそう。そうすれば、少しずつ痛みは治まる。



(瀬川 博子=健康サイト編集)



イラストレーション/川崎のりこ(PLUM GRAFIX



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