活性酸素を抑える「ブロッコリースプラウト」
「ブロッコリースプラウト」という名前に聞き覚えのある人は、さほど多くないだろう。しかし最近、テレビ番組などで注目の健康食品として、人気が高まっているらしい。
「スプラウト」とは、植物の“新芽”を指す。ブロッコリースプラウトは、文字通りブロッコリーの新芽のこと。同じように新芽を食べる野菜としては、ほかに「モヤシ」や「アルファルファ」、「かいわれ大根」などが挙げられる。
なぜ、植物の新芽に注目が集まっているのか。実は、種子の中に含まれるアミノ酸やビタミン、ミネラルといった重要な栄養素は、種子の状態のときに最も豊富に含まれ、成長とともに失われていくものが多いという。

このため、本当は種子を食べればよいのだが、種子の状態では体内に栄養素が吸収されにくい。そこで、最も効率よく栄養素を取るには、新芽の状態で食べればよいと考えられている。
中でも、ブロッコリースプラウトに豊富に含まれている成分の「スルフォラファン」には、抗酸化物質の生産を活発にする働きがあるとみられている。抗酸化物質とは、体内に蓄積した有害な活性酸素を除去する働きのある物質のこと。最近になって、スルフォラファンが胃炎の症状を改善することも明らかになってきた。
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これは、今年1月末の第1回日本消化管学会総会で、筑波大学人間総合科学研究科病態制御医学専攻の谷中昭典氏が発表した研究。「ピロリ菌」に感染することで起こる慢性的な炎症が、ブロッコリースプラウトを食べると改善するかどうかを調べたもの。
ピロリ菌は、正式な名前をヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)といい、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの発症と関係があるとされている。
谷中氏らは、スルフォラファンがピロリ菌に対し抗菌作用を示すという細胞レベルでの実験結果が書かれた論文に注目し、まず、ピロリ菌に感染させたマウスによる実験を行った。
120匹のマウスを、ピロリ菌陽性群とピロリ菌陰性群に分けた。そして、それぞれの群を高塩分食群と通常食群に分け、さらに、ブロッコリースプラウトを加える群と加えない群に分けた。
2カ月間後、胃粘膜の変化を検討したところ、ブロッコリースプラウトを加えた群では、他の群に比べ、ピロリ菌の数が減ったり、胃粘膜萎縮の進行が抑えられる、などといった効果がみられた。
その後、ピロリ菌感染者60人(ボランティア参加)を、30人ずつに分け、それぞれにアルファルファもしくはブロッコリースプラウトを1日100gずつ8週間、毎日食べてもらう実験を始めた。実験前後に、ピロリ菌の数および胃炎の程度を評価した。
実験は進行中で、まだ9人分のデータしか明らかになっていないが、4週間後、8週間後のいずれも、胃炎の状態が改善していることを示唆する結果が得られているという。今後の研究の行方が楽しみだ。
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