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わずか1週間の禁煙でも血管はよくなる

2005年09月16日

 習慣的な喫煙は、血管にさまざまな問題を引き起こすことが知られている。その中心となるのが、たばこに含まれる「ニコチン」と「一酸化炭素」だ。



 ニコチンには血管を収縮させたり、血中のコレステロールを増やしたり、血小板の粘着性を高めるといった作用がある。一酸化炭素は、全身に酸素を運ぶのに重要な役割を果たす血液中の「ヘモグロビン」と結合してその働きを抑えたり、血管の壁を傷つける作用がある。



 このため喫煙を続けると、血管の壁が厚く硬くなり、血液も固まりやすくなって、血管が詰まりやすい「動脈硬化」と呼ばれる状態になる。動脈硬化は、心筋梗塞や脳卒中などといった、死に直結する重い病気の発症につながる危険な状態だ。



 しかし、たばこを吸うのをやめれば、こうした危険性を軽減できることは以前から知られている。最近では、2004年に報告された英国の男性医師約3万5000人を対象にした大規模な追跡研究の最終結果により、75歳で禁煙しても、禁煙しない場合に比べて、85歳まで生きられる確率が高くなることが明らかにされた。



 とはいえ、「今から禁煙したって、病気になる危険性がすぐに減るわけでもあるまいし」と投げやりな気持ちの人も少なくないのではないだろうか。



 だが、安心してほしい。わずか1週間の禁煙でも、血管の機能は驚くほど回復するという研究データが最近発表されたばかりだからだ。



国際学会で注目を集めた発表



 これは、名古屋市立大学循環器内科の杉山雅也氏が、9月初旬に開催された大規模な心臓病の国際学会、欧州心臓病学会(ESC)で発表したもの。この発表には、司会から「驚くべき結果だ」と絶賛の声が上がった。会場から複数の質問が寄せられたことも、結果に対する注目の大きさを物語っている。



 杉山氏らは、1日当たり17.2本のたばこを吸う9人の男性(平均年齢34.9歳)に1週間禁煙してもらい、禁煙前後で血液検査などを行って、血管壁の変化を調べた。9人の男性の喫煙歴は明らかになっていないが、いずれも、血圧や血糖値、コレステロール値などは正常範囲内にある健康な男性。



 その結果、血管壁の硬さの推定値は、1週間で約14から約10へと、統計的にも明らかに改善した(p=0.0086)。血管内の機能の指標も、約0.3から約0.4に改善した(p=0.01)。この血管内の機能の指標は、血流によって自然に起こる血管拡張と、薬剤によって誘導される血管拡張の比から求めたもの。



 さらに、体に有害な「酸化ストレス」の指標となる化学物質の値も、1週間の禁煙で約14pg/mLから約12pg/mLに低下した(p<0.05)。酸化ストレスとは、生体で処理し切れない、体に有害な活性酸素のこと。喫煙によって酸化ストレスが増加し、血管傷害が進展するといわれている。



 このように、たった1週間の禁煙でも、血管の機能は明らかに改善したわけだ。



 禁煙を決意すれば、短期間のうちに、心臓病を起こす危険性はずっと軽くなるかもしれない。明日からでも遅くはない、勇気を出して禁煙を始めてみてはどうだろう。



(小又 理恵子=健康サイト編集)



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